アメリカでオンラインゲームが好きな少年がインターネットの速度の遅さに腹をたて、姉弟喧嘩の末に姉を殺害してしまうという事件が2年前に発生した。その弟は昨年に終身刑を言い渡されたが、今年2月3日の姉の命日を目前にして、この痛ましい事件を再び『Mirror』『AllIndiaRoundup』『SHWEMOM』などが伝えている。

米ジョージア州メイコンで2018年2月2日、当時16歳だったケヴォン・ワトキンス(Kevon Watkins)が姉を絞殺したことで逮捕された。その日、母親のラトーヤさん(Latoya)がウェストサイド高校へ下校時のケヴォンを迎えに行ったが、機嫌が悪い様子だったという。

家に着いたケヴォンはそのまま自分の部屋に引きこもり、Xboxでオンラインゲームを始めた。しかしインターネットの速度の遅さにイライラし出したケヴォンは、家族がネットを使いすぎるために速度が遅くなり、ゲームがスムーズにできないことに怒りを感じたようだ。

インターネットの回線を独り占めしたいと思ったケヴォンは、Wi-Fiへアクセスするパスワードを勝手に変えて家族が使えないようにしてしまった。これに気づいたのがケヴォンの13歳の弟で、すぐに母親ラトーヤさんに言いつけた。

ラトーヤさんはケヴォンを戒めるためにWi-Fiルーターのコンセントを抜いて、自分の寝室に持ち込んだ。すると急にゲームができなくなったケヴォンはラトーヤさんに怒りをむき出しにしたが、この騒ぎに気づいたのが長女のアレクサスさん(Alexus、当時20歳)だった。

アレクサスさんはラトーヤさんを守ろうとしてケヴォンに立ち向かうと、取っ組み合いの喧嘩になってしまった。ラトーヤさんは慌てて2人を引き離そうとしたが喧嘩はますます激しくなり、ついにケヴォンはアレクサスさんの首を両手で締めはじめた。

アレクサスさんに危険が迫っていると感じたラトーヤさんは911に緊急通報し、その約10分後に警察官が到着。なおもアレクサスさんの首を絞め続けているケヴォンに、手を離すよう警告した。大人しく従って手を離したケヴォンだが、アレクサスさんはぐったりとしたまま床から起き上がることはなかった。ラトーヤさんはパニックに陥り、叫ぶことしかできなかったという。

すぐに警察官によってアレクサスさんに心肺蘇生が行われ病院へと搬送されたが、翌3日にアクレスサスさんは首を絞められたことが原因で息を引き取ってしまった。

ちなみにラトーヤさんが警察に通報した数分後、次男で13歳の息子からも通報があり、オペレーターに「お兄ちゃんがママを殴ろうとしている。彼はちょっとおかしいんだ! お姉ちゃんの首を絞めてママを殴ると脅している!」と訴えたそうだ。

現在18歳になるケヴォンは、昨年8月1日の裁判で「本当にごめんなさい。僕は姉を殺すつもりはなかった。彼女は僕に色々なことを教えてくれました」と涙がながら語った。しかし翌日には殺人罪で有罪判決を受け、彼には終身刑が言い渡された。この時、傍聴席にいたケヴォンの家族からは悲痛な叫び声があがったという。

画像は『Mirror 2020年1月12日付「Brother and sister’s fight over wifi password leads to tragic murder」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)