下向きの目玉は不調のはじまり

「目は口ほどにものを言う」など、心身の状態を目でたとえる言葉がありますね。実際に私達は、心が落ち込むと、無意識に目玉を下げていることをご存知ですか?それもそのはず、目の網膜細胞は脳細胞の一種であり、視覚から入る情報は、脳に送られてから映像化されます。すなわち目と脳は一体なのです。

パソコンや携帯電話を使うことが当たり前の現代社会では、目の疲労に加えて、モニターを見つめることで一日中目玉を下げていますよね。これが心身の不調につながっている可能性は大いにあります。不安定な心の曇りに気づいたら、アイヨガで目玉を持ち上げて晴らしていきましょう。

アイヨガで目を輝かせ、心まで晴々と

目の不調は、目の奥にある筋肉の疲労と過緊張から始まります。それは副交感神経が弱まり、交感神経が高ぶっている証拠。体の筋肉と同様に目の筋肉も適度に動かし、コリをほぐすことで柔軟性や調整力がアップしていきます。今回ご紹介するアイヨガは、朝昼夜1日3回を基本に、目の疲れを感じた時にいつでも行なってください。

◇コトダマ追いトレーニング

1:まずは準備体操。顔は正面に、眼球だけを右端に動かし3秒キープ。左も同様に。次に右斜め上、左斜め下、左斜め上、右斜め下、上下と続ける。仕上げに眼球を左右交互に1周ずつ、ゆっくり回す。

2:目を閉じて心の対話。好きな言葉を三つ思い浮かべる。例えば「ありがとう」、「あいしてる」、「そらとかぜ」など。5文字程度の言葉だと、書く時に行いやすい。

3:目を開き、眼球がぐいっと持ち上がるように腕をまっすぐに伸ばし、空の方向を指さす。心に浮かんだ言葉をできる限り大きく書きながら、その手の動きを目で追う。三つの言葉、すべてを書く。

心の対話で必要な言葉が出てきます。「言葉の力(言霊)」を借りて、ポジティブなメッセージを描く習慣をつけましょう。

ライター:幸雅子
出典:『Yogini』vol.45/「今ここにいるためのヨガ」
監修:山本正子/山本ヨガ研究所所長。視力向上ヨガ協会理事長。’70年沖正弘先生の門下生となり沖ヨガを学ぶ。’09年「視力向上ヨガ」を考案、成果が出やすいプログラムが話題。