昨年6月、18歳となったタイミングでレアル・マドリーと電撃的に契約を交わした久保建英。10歳の時から約3年半に渡ってカンテラ(下部組織)に在籍したバルセロナからもオファーがあったにもかかわらず、その最大のライバルへの移籍を選んだことは、日本のみならずスペインでも小さくない話題となった。

 当初はそのマドリーのBチーム(スペイン3部に相当)でプレーする予定だったが、プレシーズンの活躍で複数の1部クラブからオファーが舞い込み、マジョルカへのレンタル移籍を選択した。

 現在、マジョルカでレギュラー格としてプレーしている日本代表MFが、ラ・リーガのインタビューに応じ、マドリーへ移籍した経緯について語っている。

 まず日本を離れる決断をしたことについて、「母国でない外国に行くのはいつだって難しいこと」と前置きした後、「幸いにも大久保(嘉人)選手とFC東京のチームメイトで、『リーガはとても難しい舞台だけど、最高の経験だった』と教えてくれました」とコメント。同じくマジョルカのユニホームを纏った先輩の言葉が、スペイン行きを決断するきっかけのひとつになったことを明かしている。
 
 またマドリー入団を決断した理由については、「僕の将来のプランを説明しに、日本まで来てくれました」と明かし、「(スペインに)来る気満々だったと同時に何が起こるか分からない、多少の不安もありましたが、18歳の若さでトップレベルを体感できる最高のチャンスと受け止めました」と当時の心境を回想している。

 晴れてマドリーへの加入が決まり、プレシーズンはトップチームで過ごした。

「(マドリーの)練習や試合を観ていると、今のサッカー界のトップレベルが目に見えて分かります。それが世界トップレベルの基準だとして、いつそこに辿り着けるか計算しています」

 この世界屈指のビッグクラブで1軍に入るのは、容易なことではない。だが、日本の至宝はもちろんそこを目指している。

「全ては僕次第ですが、成長していくにつれ(マドリーで)プレーするチャンスは来ます。このままブレずに続け、上手くなるほかありません」

 マジョルカでの武者修行を経て、久保は来シーズン、何色のユニホームに袖を通すのか。再レンタルか、マドリーに復帰か。トップ昇格はあるのか。

 この若きサムライの動向から目が離せない――。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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