By MabelAmber

国際的なイメージ戦略の一環として、オランダ政府が「Holland(オランダ)は正式名称ではない」と公式発表しました。2020年1月以降、オランダを指す正式名称は「The Netherlands(ネーデルラント)」のみとなります。

New international logo: NL with stylised orange tulip | News item | Government.nl

https://www.government.nl/latest/news/2019/11/08/new-international-logo-nl-with-stylised-orange-tulip

Dutch government ditches Holland to rebrand as the Netherlands | World news | The Guardian

https://www.theguardian.com/world/2019/oct/04/holland-the-netherlands-dutch-government-rebrand

Holland no more: Dutch government officially drops nickname

https://www.smh.com.au/world/europe/holland-no-more-dutch-government-officially-drops-nickname-20191227-p53n2p.html

オランダを意味する単語は、「The Netherlands」「Holland」「Dutch」など複数存在しています。これらの単語の使い分けについては、公式文書や政府広報などのフォーマルな場面では「The Netherlands」が用いられ、スポーツやくだけた会話などでは「Holland」が用いられるという傾向が存在してきましたが、「The Netherlands」「Holland」はどちらもオランダの正式名称として使われてきました。一例では、オランダ政府観光局の公式サイトは「Holland.com」のドメイン名が使われています。

オランダの祝日:行き先、ヒント、旅のインスピレーション - Holland.com

https://www.holland.com/jp/tourism.htm



「Holland」という単語は、オランダの一部地域であるホラント州(1840年に北ホラント州・南ホラント州に分割)に由来します。ホラント州にはアムステルダム、ロッテルダム、ハーグなどの主要都市が含まれ、オランダの政治・経済・文化の中心地として栄えてきた地域です。日本語の「オランダ」もこの「Holland」に由来する単語です。

そんな「Holland」という名称は、ブランディング戦略のために非公式なものとなります。オランダ外務省の広報担当官は「オランダの文化、規範、そして価値を広めるために、オランダに関する名称の統一が必要でした」と説明し、政府やオランダ観光局、オランダ産業連盟などの民間組織などが「The Netherlands」が唯一の公式名称だという合意に達したと述べました。

イギリス大手紙のガーディアンによると、2020年の東京オリンピックやヨーロッパで毎年行われる国家対抗音楽コンテストであるユーロビジョン・ソング・コンテストでも「The Netherlands」の名称が使用される予定。また、20万ユーロ(約2500万円)かけて「オランダ公式ロゴ」の変更も行いました。以下が旧来のロゴ、国名として「Holland」が用いられていました。文字の左側の花は、チューリップ。オランダは1600年頃に生じたチューリップ・バブルに由来する世界一のチューリップ産業を誇り、春頃には彩り豊かなチューリップ畑が有名です。



以下が新たなロゴ。「NL」というNetherlandsの略称が大きく配されています。このロゴに対して、オランダ国内では、「20万ユーロもかける必要があったのか」という批判が噴出したとのこと。



オランダ政府観光局は、旅行者数よりも地域にもたらされる恩恵を重視する戦略に転換することを発表しており、予算削減のためスペイン、イタリア、そして日本の支局を2020年3月末で閉鎖する予定。閉鎖後、観光情報の発信はウェブ上で行われるとのことです。