栄養バランスのとれた食事をほとんどしていない人の割合は、年間世帯所得が200万円未満の人の場合、男性で21%、女性で13%に上ることが厚生労働省の調査で分かった。同600万円以上の人と比べると、男性、女性いずれも約2倍の水準だった。低所得者の方が栄養バランスがとれた食生活を送れていない傾向が浮き彫りになり、対策が急務となっている。

 調査は2018年「国民健康・栄養調査」で、同省が14日公表した。18年11月に5032世帯を対象に実施し、3268世帯から回答を得た。

 主食・主菜・副菜を組み合わせた栄養バランスのとれた食事の頻度を聞いた。1日2回以上食べることが「ほとんど毎日」との回答は男性45・4%、女性49%と多かった。一方、「ほとんどない」との回答も男性12・6%、女性9・4%と一定程度あった。

 「ほとんどない」と回答した人を年間世帯所得別にみると、200万円未満の人の場合、男性は20・8%に上り、女性も13・4%いた。一方、600万円以上の人では男性8・9%、女性7・7%にとどまり、大幅に少なかった。

 主食・主菜・副菜を組み合わせられない理由を聞くと、「食費の余裕がない」と回答した割合が同200万円未満の男性22・1%、女性28・9%に上った。同600万円以上の男性は7・6%、女性は5・3%だった。

 主食・主菜・副菜を組み合わせて食べることがバランスの良い食事であることを知っている人の割合は、200万円未満の男性の場合81・8%。600万円以上の人に比べ6・4ポイント低く、食に関する知識でも差が出た。

 同省は「健康格差を縮小していこうと取り組んでいるが、縮小していない項目もあった。結果を今後に生かしていきたい」とした。