”炭酸水”ってここ数年でかなり市場を拡大してますよね。十数年前に比べて市場規模は10倍以上にもなるそうです。そんな炭酸水の中でもスーパーやコンビニでよく目にするのが、「ウィルキンソン - WILKINSON」です。

赤いラベルが印象的なウィルキンソン。強炭酸でのど越しが爽快なので、仕事中に水の代わりに飲んでいたり、ダイエットのために飲んでいる人も多いかと思いますが、ウィルキンソンを海外ブランドの商品だと思っている人、いませんか?

ウィルキンソン、実は生粋の国産ブランドです。しかも誕生からず〜っと。

ウィルキンソンの誕生は明治時代

現在はアサヒ飲料が製造・販売をおこなっているウィルキンソンですが、その誕生の歴史は明治22(1889)年まで遡ります。当時、日本に渡航していたイギリスのジョン・クリフォード・ウィルキンソン氏が、兵庫県宝塚にて炭酸鉱泉を発見。

ジョン・クリフォード・ウィルキンソン

この炭酸鉱泉から得られる水を分析したところ、食卓用の炭酸水として優れていることがわかり、瓶詰めの鉱泉水として生産を開始。「仁王印ウォーター」として発売します。これが「ウィルキンソン炭酸水」のはじまりです。

仁王印ウォーター ロゴ

明治37(1904)年には、販路を広げるため「ザ クリフォード ウヰルキンソン タンサン ミネラル ウォーター有限会社」を設立。兵庫県西宮市に工場を移転し、このとき「ウヰルキンソン タンサン」という商品名に変更し、販売をおこなうようになりました。

ちなみに日本でソーダが「タンサン」と呼ばれているのは、ウィルキンソンが商品名に”タンサン”を使用したことが大きいと言われています。現在でもウィルキンソンのラベルには”TANSAN”という文字が入ってますね。

大正12(1923)年、兵庫県宝塚で炭酸鉱泉を発見したウィルキンソン氏がなくなりますが、息女ミセス・プライスが経営を引き継ぎます。

昭和に入ってからは「クリフォード ウヰルキンソン タンサン鉱泉株式会社」を設立し、「ウヰルキンソン タンサン」を引き続き製造。当時のウヰルキンソン社ではあの”バヤリース・オレンヂ”の製造も行っていたそうです。

昭和26(1951)年にはアサヒビール(当時、朝日麦酒株式会社)と販売契約し、ウヰルキンソン社が製造し、アサヒビールが販売する形になりました。

アサヒ飲料が製造・販売する現在のかたちになったのは平成に入ってから。ロゴが「ウヰルキンソン」から「ウィルキンソン」に変更されたのも平成元年のこと。

このような歴史をたどり、ウィルキンソンは今年で115周年を迎えるそうです。

ウィルキンソンというネーミングから海外ブランドと思いがちですが、使用される炭酸鉱泉、その鉱泉から得られる炭酸水を使って製造する場所も、全てはじまりは日本だったんですね。

参考・画像出典:アサヒ飲料