「人生の最後の瞬間まで懺悔せよ」という裁判所の言葉は重かったが、検察の求刑3年から6カ月を削り、執行猶予を宣告した結論は、あまりに軽すぎるという批判を避けることができなかった。

結局、検察は控訴を決定した。

検察は去る12月11日、性暴行犯罪の処罰などに関する特例法上の準強姦容疑で拘束起訴された俳優カン・ジファン(42)の執行猶予宣告に不服を申し立て、控訴した。

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先立って12月5日、水原(スウォン)地方裁判所・城南(ソンナム)支部刑事1部(チェ・チャンフン部長判事)は、カン・ジファンの宣告公判で性的暴行とセクハラ疑惑をすべて有罪と認めるとしながらも、懲役2年6カ月、執行猶予3年を宣告した。

検察はカン・ジファンに懲役3年を求刑したが、裁判所はカン・ジファンが結審公判前日の11月20日に被害者と劇的な和解を成し遂げて処罰取り下げ書を提出し、刑事処罰を受けた前科がないこと、反省の意思を見せたことなどを軽減要因としたとみられる。

結局カン・ジファンは5カ月ぶりに釈放され、彼を待っていた多くのファンと取材陣を横目に悠々とその場を立ち去った。

カン・ジファン

強姦という重大な犯罪に手を染めながら、被害者と和解したという理由で釈放されたカン・ジファンに対して、世論は怒りしかなかった。

性犯罪は被害者の積極的な保護が何よりも重要だが、彼のような芸能人から性的暴行を受けた被害者の場合、急速に広がるデマなどで2次被害を受ける可能性が非常に高い。そんな現実のなかで行われた和解が、加害者の罪を許すことと同一視されていいのかという疑問を生んでいる。

被害者側の弁護人も、とあるメディアとのインタビューを通じて「合意すること以外、被害を回復する他の選択肢がなかったので、やむを得ず合意した」とし、「被害者たちはまだ治療を受けており、仕事を辞めて他の職を探している」と明かした。

量刑が不服と控訴状を提出した芸能人も

一方、性暴行犯罪の処罰などに関する特例法違反(特殊準強姦)などの疑いを受けた歌手チョン・ジュニョン(30)と元FTISLANDチェ・ジョンフン(29)は、相次いで控訴状を提出した。

過去のいくつもの公判で「特殊準強姦という罪名はとても重くて悔しい」と訴えた彼らの涙からは、真の反省と懺悔の姿を見つけることができなかった。

ソウル中央地方裁判所刑事合意29部(カン・ソンス部長判事)の審理で開かれた11月29日の公判で、裁判所は長い判決文を読み上げながら、継続的に彼らの犯罪の重大性を強調した。そしてチョン・ジュニョンとチェ・ジョンフンは初犯で年齢も若いが、芸能人という名声に次ぐ社会的責任が必要だと言い渡した。

しかしその結論は、わずか懲役6年と懲役5年だった。

それですら不服と控訴を決定した2人だ。もちろん、性犯罪者にも量刑を下げるために、犯罪成立をめぐって控訴する権利がある。しかしその根底には、性犯罪で懲役5〜6年を科すのは過剰だという社会通念も存在する。

懲役6年を言い渡されたチョン・ジュニョン(左)と、懲役5年を宣告されたチエ・ジョンフン

2013年6月に親告罪の規定が廃止され、性暴力犯罪は被害者の意思とは無関係に処罰されることとなったが、裁判所は、被害者が善処を望む場合は量刑に反映することもある。性犯罪の量刑基準が、未だに加害者を中心に行われているということだ。

去る11月、元KARAク・ハラ(享年28)の切ない死亡に触発され、20万人の署名を達成した「加害者中心的な性犯罪の量刑基準を再整備してくれ」という国民請願が登場した背景には、性犯罪の処罰基準が大衆の求める水準に達していないという批判があった。

専門家は、チョン・ジュニョンとチェ・ジョンフンが控訴審で新たに主張する内容は、被害者との和解くらいしかないと見ている。法曹界は、一審で実刑を宣告された後、二審で被害者の合意書を提出して量刑を下げるか、執行猶予で釈放される事件が非常に多いと指摘する。

とある刑事事件専門の弁護士は、「カン・ジファンのケースのように親告罪は廃止されたが、量刑要素として反映されている場合が多い。チョン・ジュニョン、チェ・ジョンフンの控訴審でも、一審ではなかった被害者との合意を勧める可能性が高い」とし、「その場合、被害者の2次被害が発生する可能性が出てくる。合意の過程を注意深く調べる必要がある」と述べた。