慣らしをするとしないとでは効きに違いが出る

 クルマの冬支度のひとつが、スタッドレスへの履き替えだ。最新モデルの新品にしたときは、気持ちいいものだが、交換すればそれでOKというわけではない。性能を100パーセント発揮させるポイントがいくつかあるのだ。

 まずは慣らし。スタッドレスに限らずタイヤすべてに言えることだが、タイヤは慣らしが必要。とはいえ、特別なことは必要ない。段差などの急激な入力は避け、少し控えめに走る程度で十分だ。

 タイヤの慣らしというと皮むきというイメージかもしれないが、実際はそれ以外にも内部の繊維や、ゴムに含まれるオイルを馴染ませる効果もある。プロに聞くと、やるとやらないとでは劇的な差ではないものの乗り心地や持ち、そしてスタッドレスの場合は効果にも微妙に違いが出るとのこと。

ドライバーの慣れも重要なポイント!

 そしてもうひとつ、スタッドレスならではの事前準備として、効きの確認がある。まずは高速道路やウエット路面でのフィーリング。夏タイヤに近い性能が最近は確保されているとはいえ違うところもあるので、その「クセ」を確認するのは重要だ。

 さらに雪道初走行時にはいきなり走り出すのではなく、まず他車がいない安全な場所で、ゆっくりとアクセルを踏んでグリップを確認しよう。その次にブレーキをかけてみて、どれぐらいの制動力が出るのかを見る。それまで履いていたスタッドレスとの違いを念頭に置くといいだろう。

 スタッドレスはどんなに性能が向上してもアスファルト面で走る夏タイヤにはかなわないだけに、なにも確認しないでその違いに慌てるのではなく、事前に体感しておくことが大切。慣らしというと製品そのものを馴染ませるイメージがあるが、乗り手の慣れというのも大切なのだ。