現地時間12月14日、オランダのエールディビジ第17節が行なわれ、12位のトゥベンテの本拠地に9位のフィテッセが乗り込んだ。

 両軍に所属する注目の日本人は共にスタメン出場。トゥベンテの中村は4-3-3の左ウイングとして、フィテッセの本田は4-2-3-1のトップ下として、それぞれ起用された。

 日本人対決にも注目が集まった対戦で、まず見せ場を作ったのは、本田だった。積極的にボールに絡んだ背番号33は、ワンタッチパスでリズムを生みだし、8分には決定機を創出。さらに体幹の強さを活かしたポストプレーでチームの起点となると、35分にはドリブル突破からのシュートで相手ゴールを脅かした。

 一方の中村もチームが守勢に回されるなかでチャンスを得る。30分、味方のスルーパスに反応。飛び出してきた相手GKもかわしてシュートを狙いにいったが、自らリカバーしたGKに弾かれて、得点には至らなかった。

 ビッグチャンスを逸した9分後だった。中村はゼクニーニとの交代を命じられてしまう。指揮官の戦術的な意図を含んだ采配だったが、これには19歳の俊英も、不満げな表情を浮かべていた。

 その後、アウェーチームがホームチームをやや押し込む展開が続いたが、前半はスコアレスで終了した。

 迎えた後半も主導権を握ったフィテッセは、50分にあっさりと均衡を破る。本田のバックパスを受けたGKのパスフェールが最前線へロングボールを供給。これに抜け出したリンセンが相手GKとの1対1を冷静に決めてみせた。

 先手を取ったフィテッセは、その後もトゥベンテの反撃を危なげなくかわしながら、試合を優位に進め続ける。そして、60分にはショートカウンターからディクコが鮮やかな一撃を見舞って追加点をもぎ取った。

 なおも、攻勢を強めたフィテッセは、72分に再びカウンターからゴールネットを揺らす。右サイドを抜け出したマタブジュが供給したグラウンダーのクロスをニアサイドでリンセンが合わせたのだ。

 チームが着実に点差を広げるなかで、60分過ぎからセンターハーフ気味のポジションを取るようになった本田は、中盤で的確ボールを捌いて、よどみのないパスワークを演出する。

 そして、試合終了間際の87分には、敵ゴール正面20メートルぐらいの位置からのFKで、コースを突いた絶妙なシュートを放ったが、惜しくも相手GKに弾かれてしまった。これには背番号33も思わず天を仰いだ。

 結局、試合は3-0でアウェーチームが勝利。エールディビジで6試合ぶりの3ポイントを手にしたフィテッセは6位に浮上。一方、敗れたトゥベンテは、順位こそ変動はなかったが、降格プレーオフ圏内の16位VVVとは4ポイント差と、苦しい状況が続いている。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部