(台北中央社)中国大陸籍の官僚らの不法入境を手引きしたとして、台湾台北地方検察署(地検)は11日、両岸人民関係条例違反の疑いで、元記者の男の自宅や旅行会社計5カ所を家宅捜索した。男の関与で不法に訪台した人の中には、深セン市や箇旧市の統一戦線部門の幹部をはじめ、中国大陸の政府職員が多く含まれているという。

検察によると、男はダミー組織を経営しており、虚偽の「短期的な専門交流」活動計画書や招待状を台湾の旅行会社に提供していた。旅行会社は虚偽の書類で中国大陸籍の人の入境許可を移民署に申請し、許可が下りた場合、男の組織に1人当たり2000台湾元(約7200円)を支払っていた。この方法で2017年1月から今年6月までに5000人が不法入境し、男は1000万元(約3600万円)を超える利益を得ていたという。少なくとも12のダミー組織、旅行会社約30社が関与したとみられている。

地検は11日、家宅捜索すると共に、男など関係者10人を事情聴取し、同日夜、男と旅行会社の責任者3人に各25万元(約90万円)での保釈を命じた。男には出境制限の条件も定められた。

(蕭博文/編集:名切千絵)