中国では日本の労働環境について「夜遅くまで残業するのが普通」というイメージが定着しているようだ。しかし、中国メディアの今日頭条はこのほど、「日本が残業大国だと思ったら大間違い」だと主張し、中国こそが残業大国であると論じる記事を掲載した。

 過労死という言葉は中国でも広く知られるようになったが、記事は「世界と比較してみると、日本人の平均労働時間はさほど長くない」と主張し、経済協力開発機構(OECD)の2018年における統計では日本人の平均労働時間は年1680時間で、韓国やロシア、米国などよりも少なかったと指摘した。

 さらに国際労働機関の統計でも、日本人の1週間あたりの労働時間は平均38時間となっており、中国の週46時間よりも少なかったと指摘し、週休2日という前提で計算すれば「中国人の方が日本人よりも1時間30分も多く残業していることになる」と強調した。

 続けて、統計は様々な職種、職業の平均であることから、日本のすべての労働者の残業が少ないわけではなく、大都市では長時間残業をしているホワイトカラーは少なくないと指摘。

 中国では近年、朝9時から夜9時まで、週6日働くことを意味する「996」と呼ばれる勤務体系が問題になっているが、記事は「今や日本人より中国人の方が必死に働いているのは事実であろう」と主張。労働時間の多さは問題もあるものの、中国経済の発展の背後には中国人の勤勉な労働があったのは間違いないと論じた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)