寒空の下、体を温めようと桶風呂に入ったカピバラさん。しかしその様子がちょっとおかしい...?


頭当たってるけど...(画像は埼玉県こども動物自然公園公式ツイッターより)

こちらは、埼玉県こども動物自然公園(埼玉県東松山市)の公式ツイッターが、2019年11月23日に投稿した写真だ。

手前のカピバラ(子)は悠々と湯船につかっているが、奥のカピバラ(親)は桶から体が大きくはみだし、お湯が出てくる竹に頭がぶつかってしまっている。明らかに桶のサイズが小さいのだ。

ツイッターではこの様子を、

「親子で桶風呂!けど、逆の方が良いんじゃない?」

と紹介。その後、子どもは小さな桶に、親は大きな桶に入りなおした姿を投稿している。


入り直しました(画像は埼玉県こども動物自然公園より提供)

入り直しても竹が頭に当たってしまう親カピバラだが、さっきよりはお湯につかれているようだ。

入る桶を間違えてしまった親子カピバラの写真に対し、他のユーザーからは、

「お尻しか入ってませんよ〜 風邪引きそう〜」
「足湯になってる」
「お腹痛いです 本当にかわいらしいですね」

といった声が寄せられている。

カピバラも温泉が大好き?

Jタウンネットは2019年12月6日、埼玉県こども動物自然公園に、その時の状況について詳しい話を聞いてみた。

カピバラの担当者によれば、桶風呂はカピバラたちが入りたい時に入るもの。普段は、大人のカピバラは大きい桶にしか入らないという。

写真のカピバラは、親が4歳の心音(ここね)ちゃん、体長約90センチ、体重約50キロ。子どもが1歳のセリナちゃん、体長約60センチ、体重約20キロだ。この日、親カピバラが小さい桶に入った理由について、担当者は、

「この時は、先にこどものカピバラが大きい桶に入ってしまった為、余っているのが小さい桶だけになってしまいました。この際、大人のカピバラがどうしても桶に入りたかったのか、無理にでも小さい桶に浸かりに行ったことでこのような状態になりました」

と説明している。

このような状況はカピバラの気分やタイミングでたまに起こるとのこと。桶風呂は打たせ湯のお湯を桶に溜めているため常に温かいく、特に寒い日に人気だという。

心温まる光景だが、ツイッターでは「桶を2つとも大きくすればいい」との声もあがっている。

しかし担当者によれば、これはかつて牛や馬のエサ入れとして使っていた桶で、古くなって使わなくなったものを再利用したもの。桶風呂として試しに置いてみたところ、カピバラたちが入るようになり、今では人気の光景になったという。他にお湯をためる桶がないため、これらを使っているそうだ。

カピバラが温かい湯船に入りたがる理由について、担当者は、

「もともと温暖な地域に生息している動物のため、日本の冬の寒さは苦手です。そのため寒い日にお湯に浸かるのは、寒さを凌ぐのに適しており、心地よいみたいです。
また、水の中を泳ぐのも得意な動物のため、お風呂の気持ち良さを一度知れば、その後はためらいなくお湯に浸かってくれます(カピバラの気分次第ですが)」

と話している。

埼玉県こども動物自然公園では、人間さながらぬくぬくとお風呂で温まるカピバラたちを、足湯に浸かりながら見ることができる。運がよければ、小さい桶にギュウギュウになって入るカピバラにも出会えるかもしれない。