2016年から『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)で連載中の『BEASTARS(ビースターズ)』。作者は板垣巴留。

『BEASTARS』で描かれるのは、人間のように二足歩行で生活する擬人化された動物たちの青春群像劇。肉食動物と草食動物、さらに海洋生物もが共存する世界は、ほのぼのとはかけ離れて殺伐とした社会だ。ハイイロオオカミの主人公・レゴシは、食肉の禁忌、種族間の対立のはざまで葛藤しながらも、さまざまな動物たちと出会い、友情を育み、恋をして、成長していく。

同作は「第21回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞」などさまざまな漫画賞を受賞。そして、10月からはTVアニメが放送中。レゴシたちが繰り広げる動物版“ヒューマンドラマ”が話題を呼んでいる。

ライブドアニュースでは、実際に板垣の仕事場を訪問。漫画家になるまでの道のりから、独特な世界を描くに至った理由、動物愛について聞いた。

撮影/小嶋淑子 取材・文/川俣綾加
▲板垣巴留さん。取材やイベントなどで表に出るときは『BEASTARS』のキャラクターのひとり、レゴム(ニワトリ)の被りものをかぶるのだとか。

想像以上の完成度に感激したアニメ『BEASTARS』

10月からスタートしたアニメが好評ですね。初めて観たときの感想はいかがでしたか?
放送直前に第1話のデータをもらって家で観たのですが、すごく驚きました。PVを観た時点で「スゴいものができるんじゃ!?」とワクワクしていたら、それ以上のものになっていて……もう、感動しかないです。
『BEASTARS』は連載開始時から注目の話題作でした。複数の会社からアニメ化のオファーがあったのでは?
何社か企画書を見せてもらいましたが、その中で「3DCGでアニメ化したい」と提案いただいたのはオレンジさん(制作会社)だけでした。動物には角や耳、尻尾があるから、CGでモデルを作ったうえで動かすほうが絶対いい、ということでお願いすることになったんです。
板垣さんの描く線は躍動感と迫力がありますよね。3DCGで描こうとすると、端正な感じになるのかなと。
あはは、私は「キレイに描こう」と思っても絶対に描けないタイプなので、「ありがとう!」という気持ちでいっぱいです(笑)。
ストップモーションアニメによるオープニング映像も話題になりました。
ビックリしましたね! アニメのOPって、いろんなキャラクターが「わー!」って自己紹介的に出てくるイメージを勝手に想像していたので……。

そしたらストップモーションの人形劇風にするらしいぞと聞いて……えっ! どんなふうになるんだろ?って(笑)。こんなにも独創的で素敵なOPにしていただいて嬉しいです。主題歌の『Wild Side』もオシャレでカッコよかったです。
アニメ制作陣には何か要望を出しましたか?
みんな人間じゃなくて動物であることを意識していただけたら、といったお願いはしました。話しかけられたときに耳がパタつくとか、そういった部分の再現ですね。

あとは、キャラクター設定はところどころチェックさせていただきました。キャラ表に私が青ペンで指示を書き込んで……ケチばっかりつけて申し訳ないなと思いながら(苦笑)。
脚本も同じようにチェックを?
一応していますが、どれだけ原作をなぞっているかは気にしていなくて。アニメは漫画じゃなくて別物だから、原作の再現じゃなくてもいいと思っています。

実際、完成したアニメはシーンごとに見せ方を工夫したりしていて、どうしたら面白く観せられるかをいろいろと考えてくださっていました。そういう試行錯誤は原作を気にせずに、どんどんやってほしいなって思います。
声優のオーディションはご覧になりましたか?
何回かに分けて行われていたもののうち、1回だけ。いろいろなタイプのレゴシやルイ、ハルたちの声を聴くことができて、貴重な経験でした。

最終的には、キャラクターごとに5人に絞った音声データを受け取って、家でじっくり聴かせていただいて。いちばん普通っぽく、自然なお芝居をされている方々を選びました。
それが今の配役につながっているのですね。『BEASTARS』はサブタイトルの詩的な言い回しが面白いのですが、アニメのサブタイトルも板垣さんが考えているそうで。
ありがとうございます。短歌や俳句が好きなので、考えるのが楽しいです。

アニメのサブタイトルは監督の松見(真一)さんから「原作のような雰囲気の言葉を作るのが難しいから、板垣さんのセンスでやってほしい」と依頼を受けたので。じつはサブタイトルを見て絵コンテを切っているそうなので、どんなタイミングで出てくるか、ぜひチェックしてほしいです。

あまりの下手さに落ち込んだ商業誌デビュー

『BEASTARS』が連載されているのは『週刊少年チャンピオン』ですが、少年誌で描くにあたって何か目指すべき方向性やルールはあるのでしょうか?
唯一、『週刊少年チャンピオン』のカラーがあるとしたら、「中学2年生の男子に向けて描いてほしい」というくらいです。編集部は面白ければOKというシンプルなスタンスなので、すごく自由に描かせていただいています。
初めて商業誌に自分の漫画が載ったときはいかがでしたか?
すごく嬉しくてありがたくて。でも同時に、心の底から落ち込んじゃって……。
えっ、それはどうして?
描いている最中は『BEAST COMPLEX』とだけ向き合って「めちゃくちゃいい原稿ができた!」「スゴいのが載るぜー!」くらいの勢いだったのに、同じ雑誌でいろいろな作品と並べたとき、ほかの漫画家の方々の絵があまりにキレイで……。私なんか相手にならないくらい。

当時の担当編集さんから「雑誌に載ってどうだった?」って電話で聞かれたときも、「本当に最悪です、落ち込みました」と(苦笑)。
▲『BEASTARS』の前身として2016〜2017年に短期連載された『BEAST COMPLEX』。さまざまな種類の動物たちが人間的なひとつの文明社会の中で暮らしている、という世界観はこの時点で完成されていた。
そんな(笑)。
そしたら「僕が立ち上げた漫画にそんなこと言わないでください」って言われまして。あの言葉には勇気づけられました(笑)。
逆に、手応えを掴んだのはどんなとき?
『BEAST COMPLEX』の第3話、ですかね。メスのオオカミがラクダの指を食べる場面を描いたのですが、ネームを読んだ編集さんの表情が初めて変わったんです。1ページ目から最後までくまなく読んで「エロいな〜!」って(笑)。読後の感想がシンプルなことが嬉しくて。

「あっ、なるほど。この感じでいけばいいのか」となんとなく掴めた気がしました。
そこで漫画家としてやっていく気持ちもたしかなものに。
もっともっとよい漫画にしたい気持ちが強くなりました。まだ長期連載も決まってないのに、前払いでもらった『BEAST COMPLEX』の原稿料でめっちゃ広い家に引っ越して……。

今になってみれば向こう見ずすぎて「何してんだ!」って思うけれど(苦笑)、あのときは勢いがあったんですよ。
▲『BEAST COMPLEX』の第3話『ラクダとオオカミ』より。ひょんなことから街で出会ったメスのオオカミと一夜限りのデートをすることになったラクダは、彼女から「あなたを食べたい」と本能的な欲望を求められる。

作業が途中だったとしても、絶対に徹夜はしない

板垣先生は週刊連載ですが、どのようなスケジュールで描いているのでしょう?
1週間のルーティーンを決めていますね。1日でネームを仕上げて、次の2日でペン入れ、3日でアシスタントさんも入って効果や背景などの作画作業。それが終わったら編集さんに原稿を渡して次の打ち合わせ……。真面目なタチなので、決まっていたほうが動きやすいんですよ。
ネームは1日で終わるものなんですか?
ネームはほかの6日間ずっと考えて、1日でアウトプットする感覚です。だから実質1週間かかっていますね。たぶん漫画家のみなさんそうだと思いますけど、目の前の原稿を描いて手を動かしつつ次のネームを考えている感じです。
どうしてもまとまらないときは?
もちろんあります(笑)。でも、ひねり出すしかないので……。週刊連載は大変だけれど、始まっちゃえばやるしかないって感じですね。つねに尻を叩かれている状態だからこそできるのかもしれません。休載も一度海外出張に行ったときくらいで、基本的に休まないようにしています。
たとえば「きょうはここまでやりたい」と思っている作業があったとして、「徹夜で頑張れば終わりそう」な状況だったら?
私は絶対に寝たいので、仕事が残っていてもノルマを達成していなくても寝ます(笑)。デビューしてから一度も徹夜をしていないのが自慢なんですよ。そのぶん、翌日にスピードアップして描きます。無理していたら続けていられないし。
健康的なサイクルができているんですね。
体内時計が中学生くらいで止まっているんでしょうね(笑)。朝は8時か9時に起きて、夜12時には寝ちゃいます。趣味もないのでたっぷり寝ていますよ。漫画家さんは多趣味な方が多いですが、私は無趣味なぶん、仕事以外に時間が奪われないのも大きいかもしれませんね。
映画は趣味じゃないんですか?
映画も仕事みたいなもので、今はもう趣味だと思わなくなってきました(苦笑)。アシスタントが入っていない金曜日と土曜日が自由に動ける日なので、だいたいそのときに家で観ているケースが多いですね。最近はNetflixで海外のグルメ番組をよく観ています。
▲もっとも好きな作業はペン入れ。「作画のときは必ず見開きで作業しています。漫画自体も紙の本で読んでほしい気持ちがあるので、見開きで見たときのバランスで画面をデザインするのが好きなんです」。

お金や手間がかかっても、断然アナログ派

エピソードを描くときに意識していることは? 漫画家の中には、感覚のままに描く方もいれば、ラストまできっちり組み立てて描く方もいますよね。
まったく理論派じゃないです(笑)。ストーリーを作るというより、ずっとキャラクターを描いているだけなので……。ここに貼ってある付箋がちょうど今描いている原稿のプロットですね。
▲付箋には箇条書きで、「どうして自分なんだろう……卵を割ってみたら有精卵!!」「食べたい…でも育てなくては! アオバ・ピナ・ビルで」「警察に届ける“ネコ科”」と書かれている。
これだけですか?
あんまりガチガチにプロットを組んでしまうと、作為的になってライブ感が生まれないので。1話20ページを3つくらいの箇条書きでまとめておいて、そのイメージを元にコマ割りや絵作りを考えていきます。

ただ、書店で『チャンピオン』をパラパラとめくっただけの人でも「面白い!」と感じてもらえるようにしたいので、いつも読み切りのような読み応えを作る意識はしています。
デジタルツールで執筆される方が増えている中、アナログで描いているんですね。
紙に描くのが好きなんですよ。完成した原稿用紙を担当さんに渡すのも好きだし。
アナログだからできる表現を大切にしたい、と。
でも、今ってデジタルでもアナログっぽい絵が描けるんですよ。だから正直なところアナログで描き続けるメリットっていったい?と思わなくもないんですが、妙な意地があって。「私がデジタルにしたらみんな悲しいでしょ?」みたいな自意識もありますし(笑)。

『ライオン・キング』のスカーが恋愛対象だった

そもそも動物たちをキャラクターとして描くようになった理由は?
動物の造形が好きなんです。ディズニーアニメのVHSが家にたくさん置いてあったので、子どもの頃からよく観ていました。そこから図鑑を読んだり動物のドキュメンタリーを見たりして。

単純に動物が好きというより、動物がキャラクターになったときに魅力を感じるタイプなんです。みんなが少女漫画の男の子に夢中になっているときに、私は『ライオン・キング』のスカーのポスターを部屋に飾っていたので…。きっと恋愛対象として見ていたんでしょうね。
▲『BEASTARS』の主人公はハイイロオオカミのレゴシ。大きな体を持ち、心優しく繊細な青年だが、内向的で他者とコミュニケーションを取ることが苦手。
だから板垣先生の描く動物はみんな二足歩行なんですね。
そうかもしれませんね。動物が二足歩行で人間みたいな生活を送ったらどんな歩き方になるのか、毛があると生活にどんな影響があるのか、昔から想像するのが好きだったんです。
『BEASTARS』は海外からの反響も大きいです。いわゆる「ケモナー(※)」層の心を掴んだのでは?
あはは。海外のファンはTwitterですごく反応がありますね。じつはケモナーの定義がよくわからないんですけど、私自身はそうじゃないと思います。
※擬人化された動物のキャラクターを愛好する人たちのこと。
動物だけが登場する世界で、何を描くか。最初にどこから構想を練りましたか?
自分の頭の中にあった描きたいシーンから入っていきました。たとえば、小さなウサギが自分よりもずっと大きなオオカミの尻尾を引っ張っている姿、みたいな。

そういう2匹の体格差から生じるドラマを1枚絵で描き、そこから物語をどんどん膨らませていったんです。
ということは、『BEASTARS』は当初、レゴシとハルの恋愛を描くことがテーマだった?
そうですね。
▲レゴシが恋をするドワーフ種のウサギ・ハル。自分に正直でさっぱりとした性格。レゴシと出会うまで、草食獣として圧倒的弱者だという、諦めのような観念を持っていた。
『BEASTARS』というタイトルはどうやって決めたんですか?
最初は『BEASTFUL(ビーストフル)』と『BEASTARS』の2択で考えていました。それで編集さんに相談したら、「『BEASTARS』のほうが意味深でいいんじゃない?」と。
ちなみにもうひとつの『BEASTFUL』というのは?
『BEASTFUL』は自分で作った形容詞です。動物だけが登場する、みたいな意味で考えていたんですが、この漫画自体の形容詞として使えたらいいなと思って。
▲「洋服は好きなのでこだわって描いてます」と板垣さん。私服の場合、男なら『men’s FUDGE』や『POPEYE(ポパイ)』、女なら『装苑』といった雑誌を参考にしている。
▲「レゴシはだるーっとしたラフな服。でも、レゴシと自分はシンクロさせながら考えている面もあって、私が持っている服を着せることも多いです(笑)」。
とくに好きな動物は?
『BEASTARS』を描くまではオオカミで、今まで取材などで聞かれてもそう答えていました。でも、だんだん距離が近くなりすぎて「大好き!」って感じじゃなくなって……。

今はサイが好きですね。いちばん遠い存在に見えるので。彼らは体が鎧みたいなんですよ。動くときに体のいろいろな部位がごちゃごちゃと動くので、見ていて飽きないです。
主人公のレゴシがオオカミなのは、オオカミが好きだったから?
オオカミの中でもハイイロオオカミ(タイリクオオカミ)がいちばん好きでした。ライオンは童話で王様なのに、オオカミはなぜ悪者なんだろう?と疑問に思っていたので、そういうイメージが物語を考えるヒントになっていると思います。
では、オオカミのレゴシが恋をする相手をウサギのハルにした理由は?
オオカミがオオカミに恋したって面白くないから、違う種族の動物にしようと最初から思っていました。当初ハルはヒツジの予定だったのですが、ふと「これじゃ『あらしのよるに』(木村裕一による絵本シリーズ)と被っちゃう!?」と気づいて(笑)。
▲物語の起点はレゴシとハルの異種間恋愛があったという。

異種間恋愛は、男女の関係みたいに成立するはずのないもの

さまざまなメディアで『BEASTARS』が紹介されるとき、その魅力について「多様性」というキーワードが挙がることが多いのですが、どのように考えていますか?
とくにそこを意識して描こうとしているわけではないんです。この社会に生きる動物たち1匹1匹にスポットを当ててみると、それぞれに事情や背景がある。そこをきちんと描いていけば、結果的にそうなるんじゃないでしょうか。
世の中で起こっている問題をテーマに扱おうと思っているわけではなく?
はい。別に人間社会を風刺してやろうとか全然考えていなくて、せいぜいSNSなどの時事ネタが少し入っているくらい。でも、それぞれの動物にも生態があって、お互いに配慮することで社会が成り立つのは人間社会にも共通していると思います。

ただ、連載当初からヒューマンドラマを描く、という意識はしていますね。動物なのにヒューマンって矛盾ですけど(笑)。それが『BEASTARS』のもっとも大切にしたいところだし、少年漫画っぽくもあるのかなって。
『BEASTARS』は海外でもファンが多い作品だと思いますが、人間の普遍的な部分を描いているから、なんでしょうね。
人間も生まれ育った国や性別が違えば、『BEASTARS』に登場する動物たちのように種族が違うようなものですよね。違う者同士が一緒にいる大変さ、楽しさを描けたらいいなって思います。私自身もそういうのが好きなので。
『BEASTARS』では、ライオンならライオンと、ヒツジならヒツジと同種で結婚するのが当たり前という価値観が一般的で、異種間で結婚するのは珍しい世界です。オオカミのレゴシが、ウサギのハルに恋愛感情を抱く異種間恋愛は、人間社会でいうと何になるのでしょうか。
男と女がもう異種間恋愛ですよね(笑)。私からすると、恋愛って絶対に成立するはずのないことをやっているように思えるので。
「成立するはずのない」というのは?
男女ってわかり合えるはずないのに、結局惹かれ合っている。何とかわかり合おうとすればするほどツラいはずなのに。それでも、もがく姿は輝いているしみんな素敵だと思うんです。それをレゴシとハルで表現できたらいいなって。

食欲も恋愛感情も本能的なものじゃないですか。それを一緒に描いてみたら、なんだかものすごいごった煮の鍋が完成するんじゃない?と思ったんです。
▲ハルと出会い、恋を知ったレゴシ。一方で、肉を食べるという本能的な欲求に苛まれることになる。

「もう後戻りできない」 作者も悩んだレゴシの一線

『BEASTARS』の中で、いちばん描きやすいキャラクターは?
やっぱりレゴシかなあ。レゴシは何をさせてもいいと思うし、何をさせても大丈夫という信頼も築いているから。
そう思えるようになったきっかけはあるのでしょうか?
おそらく11巻が分岐点だったと思います。11〜12巻は私の中で迷走していた時期だったので。
11巻というと、レゴシが食殺事件の犯人と対決するエピソードですよね。
はい。そこでレゴシは「ある一線」を越えてしまうのですが、それを描いてしまったことが自分の中で想像以上にショックで、落ち込んでしまったんです。「レゴシにこんなことをさせてしまった」「もう後戻りはできない」って。この先、レゴシを描き続けられるか不安になりました。

でも、今でもレゴシは元気にしているし、様子もおかしくない。だったら私も大丈夫だと思えるようになりました。
レゴシと一緒に板垣さんご自身も悩んでいたんですね。
そうですね。この世界を描くときに、肉食獣の本能的な行為を否定する話にはしたくなかったんです。

肉食と草食の動物が仲良く暮らしている一方で、裏市では草食動物の肉が売られている。それは全部ひっくるめてひとつの社会です。単なる勧善懲悪ではなく、なぜ本能に負けてしまうのかを描くのが『BEASTARS』だから、描かざるを得ないと思っていました。
▲食殺事件の犯人と決闘するも窮地に陥ったレゴシは、「ある一線」を超えることで力を得る。

『BEASTARS』のラスト2話分はもう決めている

『BEASTARS』は数々の漫画賞を獲得し、ついにはアニメ化も実現しました。現在の心境はいかがですか?
嬉しい反面、右も左もわからないときに描いたものが大勢の人に読まれていることに恐怖心もあるんです。『BEASTARS』の連載を始めた頃のような勢いや情熱には負けるかもしれないけど、今なら技術的にもいい漫画が描けるんじゃないか、って。もっといいものをみなさんに読んでもらいたいです。
今後、レゴシの人(獣)生がどうなるのか気になるところですが、物語の着地点は考えていますか?
ラスト2話だけは考えています。レゴシやルイ、ほかのみんなとも一緒に盛り上げたいので、どういう道を経てそこにたどり着くのかまでは未定ですけど。どれくらい時間がかかるのかも。
では、今後もっと掘り下げてみたいキャラクターは?
秘密です!(笑)ただ、それについては『BEAST COMPLEX』も描きたいキャラがたくさんあるんですよ。『BEASTARS』に入れていいのか、『BEAST COMPLEX』の2巻として出したほうがいいのか。まだいろいろと悩んでいます。商売的な話になっちゃいますが。
アニメの反響によって、もっともっと作品に興味を持つ人が増えると思います。そうした方々に伝えたい言葉はありますか?
アニメはオレンジさんが心血を注いで美しい映像を作ってくださったので……。そのアニメを観て原作を読んでいただいたのに、絵が汚すぎて驚かないでください!(笑)

板垣先生の仕事場を特別公開!

仕事場には至るところに動物グッズが飾られている(写真①②)。そのほとんどが読者から贈られたものだが、仕事で座るイスにぶら下げたナマケモノのティッシュカバーは、アシスタントからプレゼントされたもの(写真③)。
本棚は建築や美術関連の書籍も多い。寮を出たレゴシが暮らす「コーポ伏獣」のデザインは、香港にかつてあった九龍城砦がモチーフになっている(写真④⑤)。
「マンガ大賞2018」受賞時に印刷所から贈られたハードカバー版コミックス。世界でひとつだけの特注品(写真⑥)。机の周辺には仕事道具がいっぱい(写真⑧)。机の右にある引き出しにはトーン一式(写真⑦)、イスの後ろにはカラー用のペンが収納されている(写真⑨)。
仕事机の横の壁には、さまざまな資料や原画が貼られている。キャラクター設定やコーポ伏獣の部屋の間取り、シャツのボタンの付け方の違いなど、執筆の際に必要なものばかり(写真⑩⑪⑫⑬)。
板垣巴留(いたがき・ぱる)
1993年9月9日生まれ。東京都出身。A型。左利き。武蔵野美術大学造形学部映像学科を卒業後、2016年に『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)で4話構成の『BEAST COMPLEX』を短期集中連載し、商業デビュー。同年から『BEASTARS』の連載を開始する。同作は8月時点で累計発行部数300万部を突破。10月からはフジテレビ系「+Ultra」でテレビアニメが放送されている。9月より講談社『Kiss』にて自伝的ショートホームドラマ『パルノグラフィティ』も連載中。

作品情報

漫画『BEASTARS』
既刊16巻
価格499円(税込)
©板垣巴留(秋田書店)2017

アニメ情報

アニメ『BEASTARS』

フジテレビ「+Ultra」にて毎週水曜日24時55分から放送中!
NETFLIXにて毎週木曜日配信!(日本先行)
その他各局でも放送!
関西テレビ:毎週木曜25:55〜26:25
東海テレビ:毎週土曜25:55〜26:25
テレビ西日本:毎週水曜25:55〜26:25
北海道文化放送:毎週日曜25:15〜25:45
BSフジ:毎週水曜24:00〜24:30
※放送は予告なく変更になる可能性がございます。放送情報の詳細は各局HPをご確認下さい。

公式サイト
https://bst-anime.com/

イラスト入りサイン色紙プレゼント

今回インタビューをさせていただいた、板垣巴留さんのイラスト入りサイン色紙を抽選で1名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。

応募方法
ライブドアニュースのTwitterアカウント(@livedoornews)をフォロー&以下のツイートをRT
受付期間
2019年12月11日(水)18:00〜12月17日(火)18:00
当選者確定フロー
  • 当選者発表日/12月18日(水)
  • 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
  • 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから12月18日(水)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき12月21日(土)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
キャンペーン規約
  • 複数回応募されても当選確率は上がりません。
  • 賞品発送先は日本国内のみです。
  • 応募にかかる通信料・通話料などはお客様のご負担となります。
  • 応募内容、方法に虚偽の記載がある場合や、当方が不正と判断した場合、応募資格を取り消します。
  • 当選結果に関してのお問い合わせにはお答えすることができません。
  • 賞品の指定はできません。
  • 賞品の不具合・破損に関する責任は一切負いかねます。
  • 本キャンペーン当選賞品を、インターネットオークションなどで第三者に転売・譲渡することは禁止しております。
  • 個人情報の利用に関しましてはこちらをご覧ください。
ライブドアニュースのインタビュー特集では、役者・アーティスト・声優・YouTuberなど、さまざまなジャンルで活躍されている方々を取り上げています。
記事への感想・ご意見、お問い合わせなどは こちら までご連絡ください。