こってりとした豚骨スープが人気のラーメンチェーン「ラーメン山岡家」(以下、山岡家)。

北は北海道、南は福岡まで全国約150店舗を展開するが、インターネット上では「空白地帯」となっている東京都心への進出を望む声があがっている。

J-CASTトレンドは運営する丸千代山岡家(本社:北海道札幌市)に取材し、都心に山岡家の店舗がない理由を聞いた。

「山岡家の結界で都心が守られている」

山岡家は1988年に茨城県牛久市で1号店を出店。豚骨を数日間煮込んで作った濃厚なスープと太麺が特徴の「こってり系ラーメン」として、ラーメンファンから人気を得ている。

北海道や関東エリアの道路沿いを中心にチェーン展開している山岡家だが、地図サイト「Google Map」で「山岡家」と検索すると、その特徴的な立地がよくわかる。首都圏エリアを見ると、東京の周りをぐるっと囲むように、埼玉、千葉、神奈川にある店舗名が表示される。その一方で、真ん中にはポッカリと穴が。東京の都心には、まったく店舗がないのだ。

ツイッター上ではこうした山岡家の首都圏での立地が話題となり、

「ドーナツ化現象起きてる...」
「山岡家の結界で都心が守られている」

と驚きの声が挙がった一方で、

「都心で山岡家食べたい」

と、「都心進出」を願うユーザーもみられた。

「長い時間がかかってしまうかもしれないが...」

なぜ、こうした立地になったのか。取材に答えた丸千代山岡家の広報担当者は、

「外回りのサラリーマンやトラックドライバーが気軽に来られる店を作っていきたいというところもあり、交通量が多い幹線道路沿いや比較的敷地が大きい場所に出店している」

と、山岡家の出店条件を説明。首都圏では神奈川県〜埼玉県〜千葉県を円状に結ぶ「国道16号」沿いのエリアが条件に合致していたことから、結果的に都心を包囲するような店舗網が出来上がったと話す。

一方で、広い敷地が確保できない都心部は、同社の出店条件からは外れる。過去には新宿・歌舞伎町、池袋、高田馬場といったエリアに店舗を構えていた時期もあったというが、

「当社のラーメンは麺が太く、茹で時間を要するため、ご注文いただいてからご提供するまで最低でも10分くらいかかる。ビジネスマンが多い都内では『短時間で済ませたい』というニーズがつかみ切れなかった」

と、撤退していたことを明かした。

今後、都心へ再進出する予定はあるのか。担当者は「コストと場所のバランスを考えると、現状では国道16号の内側に入っていくのは難しい」とした一方で、

「長い時間がかかってしまうかもしれないが、会社としてはいずれ都心にも出店したい」

と、将来的なビジョンを語った。