10月の販売台数はカローラに次ぐ2位!

 月別の登録台数データを見ると、日本国内で新車として売られる登録車(小型/普通車)のうち、トヨタ車が50%前後を占める(レクサスを含む)。従ってトヨタ車が登録台数ランキングの上位に入るのは当然だが、最近はとくにシエンタが好調だ。2019年8/9月は登録車の1位になり、10月もセダンとワゴンをフルモデルチェンジしたカローラシリーズに次ぐ2位に入った。

 シエンタは好調に売れるだけあって、対前年比の伸びも高い。2019年8月は前年の1.6倍、9月は1.9倍、登録があった。10月は若干マイナスになったが、前述のように販売ランキングでは2位となっている。

 気になるのは販売が伸びた理由だが、シエンタは新型車ではない。現行型が発売されたのは2015年7月であった。この後、2018年9月にマイナーチェンジを行って2列シートのファンベースを加えたが、さらに約1年を経過している。

 そして2019年上半期(2019年1〜6月)の売れ行きは前年の1.1倍だから、2018年9月に実施されたマイナーチェンジの効果が延々と続いているわけでもない。あるいは2019年6/7月に何らかの理由で納車が滞り、この反動で8/9月が増えた形跡もない。一貫して堅調に売れていて、8/9月がさらに伸びた。

 ちなみにシエンタは特別仕様車のグランパーを加えたが、この発売は2019年10月4日だ。グランパーは8/9月の売れ行きに影響を与えていない。

 そこで販売店にシエンタが好調な理由を尋ねると、以下のような返答だった。

上級車種から小さなクルマに乗り替える人から人気!

「現行シエンタは発売から4年以上を経過して、街中でも頻繁に見かけるようになった。これに伴ってお客様が増えた経緯がある。またトヨタのヴォクシー/ノア/エスクァイアからの乗り替えに加えて、セレナのお客様もシエンタに移行するようになった。先代RAV4も含めて、シエンタはダウンサイジングされるお客様の間で人気が高い」からだという。

 シエンタは運転しやすいコンパクトなボディを備えながら、車内が広く、居住性と積載性に優れている。加えて外観デザインも個性的だから、発売後4年を経過しながら古さを感じにくい。その結果、上級車種から小さなクルマに乗り替えるダウンサイザーを中心に、人気を高めた。

 とくに最近はライバル車のフリード、ミドルサイズミニバンのセレナやヴォクシー/ノア/エスクァイアなどは、需要が一巡している。これもシエンタの売れ行きを後押しすることになった。

 人気が高いのは良いことだが、その分納期も長い。販売店によると「2019年11月下旬の契約で、納車はノーマルエンジン車が2月上旬、ハイブリッドは2月下旬」だという。正月休みを除いても、納期は2カ月半から3カ月だ。

 一般的に値引きなどの条件を好転させてクルマを買うには、3月決算フェアがねらい目とされるが、3月中に登録できることが前提だ。販売会社の決算も3月だから、3月中に登録できないと、大幅値引きで売る意味が薄れてしまう。シエンタを好条件で買うなら、12月中、あるいは新年の初売りフェアなどに契約して、3月中の登録に間に合わせるのが良いだろう。