オールブラックスのSHスミスが「ハカの秘密」を明かす

 ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会の準決勝で敗れ、3連覇を逃したニュージーランドだが、試合前には恒例のウォークライで大いに会場を盛り上げた。一般的にはハカとして知られるハカには「カ・マテ」と、「カパ・オ・パンゴ」があるが、どう使い分けているのだろうか。SHアーロン・スミスが意外な実情を明かしている。

 プール戦初戦の南アフリカ戦で「カパ・オ・パンゴ」を披露。ド迫力の戦いの踊りで大いに魅了したオールブラックス。準決勝ではハカに対して、イングランドがV字の陣形を取る“奇襲”を仕掛け、賛否両論を巻き起こすなど、ハカはある意味で試合以上に注目を集めた。

 ニュージーランドメディア「stuff」では、改めてハカを特集。「オールブラックスのハーフバック、アーロン・スミスはハカの秘密を明かした」と見出しを打って、意外な真実を伝えている。

 ニュージーランドのハカには2種類あるが、「オールブラックスのハーフバックのアーロン・スミスはチームがどのようにして、2種類あるどちらのハカを試合前に選択するのかを明らかにした」と伝えている。

「ファンたちはいつもなぜ伝統的な『カ・マテ』の方が、もう1つでより新しい方の『カパ・オ・パンゴ』より多く踊られているのか不思議に思っていた。ある人たちは、より特徴のある『カパ・オ・パンゴ』は高いリスペクトの気持ちを持つ相手にだけ行われ、『カ・マテ』はその他の多くの機会で使われているのだと主張していた」

 一般的に伝えられていた意味合いをこう紹介しているが、記事によるとスミスはきっぱりと否定している。

「人々が思っているような理由ではないよ。確かにハカはオールブラックスにとってとても特別なものだ、でもそれは我々にとって最重要なものではないんだ。

 キャプテンが誰にリードさせるか決めるんだ。そしてどのハカにするか言う、『今週はカパ・オ・パンゴで行きます』こんな感じさ。それはミーティングやその類の時に発表されるものじゃないんだ、その時(試合前)言われる」

カ・マテが使われることが多いシンプルな理由

 カ・マテにするのか、カパ・オ・パンゴにするのか――。意外にもあっさりと決められているのだと明かしている。

 ではなぜ、カ・マテが選択されることが多いのか。その理由についてもスミスは説明している。

「もし新しいメンバーが加入したら、我々は『カパ・オ・パンゴ』はやらないんだ。その理由はその新人がプレーとハカをすることに圧倒されて、緊張して縮こまってしまわせないようにしたいからさ」

 さらに両方の知名度の差にも関係しているという。

「ニュージーランド人は『カ・マテ』を飲んだ時や、子供のころにみんなやっている。パーティーの時も。だから我々は『カ・マテ』をよく知っている。だけど『カパ・オ・パンゴ』はちょっと困らせるものなんだ」

 ニュージーランドでは一般的にもハカは広く知られ、子どもたちでも踊れるのだというが、これは馴染みのあるカ・マテだけ。そのため、新たな選手が加入して、すぐに「カパ・オ・バンゴ」を習得するのはハードルが高くなってしまうようだ。

 ハカのチョイスは驚くほどシンプルな理由だった。(THE ANSWER編集部)