(株)第一ホテル(TDB企業コード:020042302、資本金4500万円、北海道川上郡弟子屈町川湯温泉1-2-3、代表高田義人氏)は、11月20日に釧路地裁へ自己破産を申請した。申請代理人は釜井裕介弁護士(北海道札幌市中央区大通西14-3-28、札幌碧法律事務所、電話011-281-0200)。

 当社は、1926年(大正15年)創業、55年(昭和30年)10月に法人改組。東北海道中部に位置する弟子屈町川湯温泉郷で観光温泉ホテル「川湯第一ホテル忍冬(SUIKAZURA)」を経営していた。川湯温泉のなかでも老舗ホテルとして知名度を有し、道内外の観光客や湯治客の利用もあり、トップクラスの業容を誇っていた。2006年12月に内外装の大幅なリニューアルを行い、源泉かけ流しで信楽焼きの客室露天風呂を有する貴賓室などアップグレードした客室を備えて同業他社との差別化を図り、ホテル名を「川湯第一ホテル」から変更。リニューアル効果もあり2008年9月期の年収入高は約4億2100万円を計上していた。

 しかし、近隣ホテルとの競合から利用者が伸び悩んで収入高が落ち込み、燃料価格の高騰もあって経費を吸収できずに赤字決算が続き、リニューアルに伴う借入金が重荷となって資金繰りが悪化していた。2018年9月期の年収入高は約2億3200万円に減少し、今期はじめも「北海道胆振東部地震」の影響から予約のキャンセルが相次いだうえ、退職した従業員の補充が進まずにサービス低下を招いていた。営業譲渡を模索するなか業況回復のメドがたたずに事業継続を断念、11月20日までに従業員を解雇し、今回の措置に至った。

 負債は約3億6900万円だが変動している可能性がある。