車を運転していたら、突然、大勢の警察官に停められて、いきなり大根を渡されたというエピソードが話題となっている。

2019年11月19日に投稿された、上のツイートには、1本の大根の写真が添えられている。そこには「大根絶キャンペーン」と大きく書かれている。コメントには、警官と一緒にいた保育園のチビッ子さんに「車の運転に気をつけてくだしゃい」と手渡された、とある。いったい、これは何だ?

 

Jタウンネット編集部は、投稿者の高橋けーすけ(@RbAncM5pMqYHRBF)さんと、大根を配布した交通安全協会に詳しく聞いてみた。

「大根はいくら食べても当たらない」


あわら交通安全協会本荘分会が配った大根。 高橋けーすけ(@RbAncM5pMqYHRBF)さんのツイートより

投稿者によると、大根をもらったのは福井県あわら市の芦原街道、日時は11月19日の14時過ぎだという。その時の感想を聞くと、次のように答えてくれた。

「ただただびっくりしました。警察の方に停まってと言われて窓を叩かれたかと思ったら小さい子供に大根を渡されたので......」

驚く様子が目に浮かぶようだ。

大根に巻かれた「大根絶キャンペーン」という用紙には、「あわら交通安全協会本荘分会、本荘こども園、あわら警察署」などが記されているということで、今度は、あわら交通安全協会に電話してみた。

答えてくれたのは、あわら交通安全協会の担当者だ。「大根絶キャンペーン」というコピーの横には、

「だいこん絶とだいこんは食べすぎても当たらない!ということで掛けてみました」

との解説メッセージが書かれているそうだ。

「当たらない」というところに、罫線が引かれている。大根はいくら食べても食当たりを起こさないことから、交通事故に遭わないように、当たらないように、という願いが込められているわけだ。また、「ご家族で大根を召し上がりながら、交通安全について話し合ってください」という文言も記されているという。

この「大根絶キャンペーン」は、あわら市本荘地区が大根の生産が盛んなことから企画され。もう6年も前から実施されているという。今年、配布された大根の数は約100本。例年より大きく育った大根が、子供たちの手でドライバーに配られ、40分ほどでイベントは終了したそうだ。

ツイッターにはさまざまな声が寄せられている。

「やっぱりシュール。wwww インパクトあるから、キャンペーンとしては成功かな」
「すごいインパクトのあるキャンペーンですね」
「こういう洒落の効いたのはとってもいいですね。 しかも食べれるから無駄にもならないし、家でも話題になるから、マーケティングとしては秀逸。考えた人は天才」
「皮を剥いて、一旦冷凍して、うどんの出汁に冷凍されたまま入れて、火をつけてグツグツ炊いたら、すぐ味が染み込んでおでん一丁出来上がりです。 だじゃれに感謝していただきましょう」

ところで、もらった大根をどう調理したのか、再び投稿者に聞いてみた。

「これが本当に恥ずかしい話なんですけど、こんなに拡散する前に隣のご家族にあげてしまいました。想像以上に重く大きな大根でして、本当に食べきれないと思い、あげました。とても喜んでいただけましたので良かったのかなと思います」

なんともったいない。投稿者は、「ツイッターの皆様からいろんな大根レシピを教えていただいたのに、今手元にないってのはなんか申し訳ないので、今度一人用とかにカットされた大根を使ってなんか作ってみたいなと思っています」と、恐縮しきりだった。