本日、キリンチャレンジカップの日本代表対ベネズエラ代表がパナソニックスタジアム(吹田)で開催される。

日本代表は今回の招集で2試合を戦うが、1試合目を遠いキルギスの地で行ったこともあり、実質的に海外組と国内組を分けて2チームを編成した。

そのため、このベネズエラ戦には国内でプレーする9選手が追加され、そのうち4名の選手が初招集されている。

試合を今夜に控え、その4名の顔ぶれと注目してほしい彼らの武器について取り上げよう。

荒木 隼人(サンフレッチェ広島)

今季の成績:21試合2ゴール

大阪に生まれ、G大阪のジュニアユース、広島ユース、関西大学を経て、今年プロの世界に身を投じた。

そんな大阪・広島を往来する23歳は当初ACLでのみ先発に起用されていたが、夏場以降にリーグ戦でもポジションを奪取。現在は3バックの中央を任されており、1年目にしてA代表入りの誉を得た。

彼の武器は対人守備の強さ、そして185cmの長身を生かした空中戦。その高さは既にJリーグ有数、アジアでも十分に通用する次元にあり、4月のACL・大邱戦では屈強な韓国人を抑えて頭で初ゴールを記録している。

荒っぽさはある。しかし危険を顧みない強靭な精神力は頼もしく、その気持ちが上記2つの武器を支えているといっても過言ではないだろう。

古橋 亨梧(ヴィッセル神戸)

今季の成績:28試合9ゴール

昨夏までJ2のFC岐阜に所属していたアタッカーは、スター揃いで出入りが激しい神戸において確かな輝きを放ち、ついに代表入りを射止めた。

彼の武器は何といっても50m5秒台という圧倒的な脚力。初速と馬力に優れ、最高速度をほぼ最初から最後まで保てることで、画面上でもその速さがよく分かるのが特徴だ。

また運動量も抜群であり、VIP(ビジャ、イニエスタ、ポドルスキ)ら高齢のスターが揃い、質より量の面で不安が残るチームに活力を注入している。

技術面は発展途上だが、体型の近いビジャの動きを間近で学びながら急成長を見せている。攻撃のポジションならどこでも可能であり、代表デビューのチャンスは十分にありそうだ。

進藤 亮佑(北海道コンサドーレ札幌)

今季の成績:30試合6ゴール

U-17・19の代表歴を持つDF。コンサドーレが誕生した年に札幌に生まれたという生粋の“札幌っ子”である。

彼は2015年のプロ入り以降なかなか出番を得られなかったが、昨年、就任したミハイロ・ペトロヴィッチ監督に見出され、3バックの右ストッパーに定着。昨年は全試合に、今季もここまで30試合に起用されている。

その持ち味は攻撃力で特にセットプレーでは無類の強さを誇り、DFながら今季なんと6得点!森保一監督も、後方から組み立てる技術や得点能力を評価している。

身長が178cmであり、4バックの代表でどのように使われるのかは悩ましいところだが、3バックの併用も視野に入れる森保一監督が求める人材の一人ではあるだろう。

オナイウ 阿道(大分トリニータ)

今季の成績:28試合10ゴール

ナイジェリア人の父親と日本人の母親のもと、埼玉に生を受けたストライカー。

彼はリオ五輪の予選で脚光を浴びたが、その後は本大会メンバーへの選出を逃し、ステップアップを求めて移籍した浦和でも出番を得られず燻ることに。

しかし昨年、レンタル先のJ2・山口で22ゴールを記録すると、今季はJ1の大分へ。当初はエース藤本憲明の控えであったが、藤本が神戸に移籍した後はポジションを獲得した。

その超人的な跳躍力から高校時代に付けられた異名は“エア・マスター”。加えて前線でのキープ力やポストプレーにも優れており、「ポスト大迫」に名乗りを上げたいところだ。