約3か月にわたり酷い鼻づまりで苦しみ、病院を訪れた中国の30歳の男性の鼻の奥に1本の歯が生えていることが判明した。あるはずのない鼻腔内に成長した歯は、実は20年前のある怪我が原因だったようだ。『Metro』『Pear Video』などが伝えた。

「夜眠れず、鼻の奥から何かが腐ったような悪臭がする。感染症に罹っているのではないか…。また鼻が詰まり呼吸が苦しいので診て欲しい」―そんな症状を訴え黒龍江省ハルビン市のハルビン医科大学付属第四医院を訪れたのはチャン・ビンシュンさん(Zhang Binsheng、30)で、医師がレントゲン検査を行ったところ鼻の奥に白い塊があるのが見つかった。

チャンさんを診察したグオ・ロンメイ医師(Guo Longmei)によると、この塊は鼻腔内で成長した男性自身の歯とのことだ。『IFLScience』では、このような症例は非常に稀で人口の0.1〜1パーセント程度でしか発生しないとしている。

実はチャンさん、10歳の時にショッピングモールの3階から転落して顔に60針を縫う怪我をしており、歯を2本失っていた。当時、折れた歯を1本だけしか発見できなかったとのことで、グオ医師は「その時の歯の1本がたまたま鼻腔内に入って根付いてしまったのでしょう。また歯がチャンさん自身のものだったことから、鼻腔内で異物として拒絶されることもなく、本人も長い間気が付かずに過ごしてきたものと思われます」と語っている。

「20年前の怪我で折れた歯が、まさか自分の鼻腔内で成長していたなどとは思いもしなかった」というチャンさん。1センチほどの長さの歯は、11月初旬に約30分の手術で摘出されており、その後は順調に回復しているようだ。

ちなみに今年2月にも、臭覚を失ったデンマークの59歳男性の左鼻の奥に歯が生えていたケースが報告されていた。この男性も過去2年間、左の鼻腔が常に鼻づまりで鼻水が垂れている状態だったという。

画像は『Metro 2019年11月11日付「Man’s blocked nose was caused by tooth growing in his nostril(Picture: Pear Video)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)