[11.17 キリンチャレンジカップ U-22日本代表 0-2 U-22コロンビア代表]

 不完全燃焼に終わった。A代表に定着するMF久保建英(マジョルカ)は、約8か月ぶりにU-22日本代表の戦士としてピッチに立ったが、本領を発揮するには至らなかった。

 3-4-2-1の左シャドーの位置でスタート。しかし、なかなかボールに絡めず。たとえパスを呼び込んでも、好機を生み出すには至らなかった。コロンビアに押し込まれることで、両ウイングバックが高い位置を取れなかったことも影響して、「前半は攻撃に厚みを出せなかった」と前半はチャンスらしいチャンスを作れずに終えた。

 後半途中にシステムを4-2-3-1に変更するなど、テコ入れがされるが流れは大きく変わらない。左サイドハーフに入った久保は「中に入ってシュートというのは難しかった。でも、何本かシュートには絡んでいたので、左サイドでできることはやれたと思う」と、試合終盤には時おり周囲との連係で好機を生み出す場面もあった。しかし、90分間を通して輝きを放つことはできなかった。

 0-2の完敗。「結果を見て分かるとおり、0-2で負けたし、内容もきれいに崩そうとし過ぎた場面もあった。もうちょっと簡単にシュートを打っても良かったと思う」と唇を噛むと、「強いて良かった点を挙げるとすれば、負けたこと。負けたことで、危機感が生まれたと思う」と厳しい表情で語った。

 今回はU-22日本代表に招集されたが、今後、A代表と活動が被った際にどちらの活動を優先するかは分からない。連係面を向上させる機会は限られるが、「それが代表。そういうのを言い訳にせずにやっていくしかない」とキッパリ。8か月後に控える東京五輪までサバイバルレースは続くが、「同年代の選手には負けられない」と語ると、「本番で選ばれればだけど、『あのとき負けておいて良かった』と思えればいい」とこの日の敗戦を糧に成長を続けていく。

(取材・文 折戸岳彦)