ウォシュレットを使う人、使わない人の内訳を知りたい――。

そんな素朴な疑問から、Jタウンネットは「トイレのウォシュレット、使いますか?」と題して読者アンケートを実施した。


ウォシュレット、使う?使わない?

投票期間は2019年7月4日から11月7日までで、全国1395人の読者から投票をいただいた。

用意した選択肢は3つで、「基本的には使う」が53.8%(750票)の過半数を占めている。一方で、「使わない」派も20.1%(280票)と少なくない。単純に考えれば、5人に1人がウォシュレットを全く使わないことになる。



残りの票はどこへ流れたのだろうか。

上の図表を見てもらえれば分かるが、「自宅では使うが、出先では使わない」(365票、26.2%)が意外な支持を集めたのだ。言い換えれば、自宅のウォシュレットは使えるが、外出先では「使えない」人が一定数いるということだろう。

ツイッターにも、外出先でウォシュレットの使用を避ける人から、次のような投稿が出ている。

「自宅以外は使わない、外で誰の洗ったか分からないやつ使うなんて絶対NG」
「外のウォシュレットはうんこ付いてそうで怖い...家のしか使わない」

やはりというべきか、外出先で使用を避ける人は衛生面を気にしているようだ。

実際のところ、公衆トイレなどのウォシュレットは清潔なのだろうか。Jタウンネットは、トイレ製造大手のTOTOに聞いてみた。

ノズルの角度に工夫があった

TOTO広報部の松竹博文さんは11月7日の取材に、

「発売当初(1980年)から、ノズルの角度を『43度』にしておりまして、お尻にあたった水がノズルに直接落ちずに、便器に落ちるというような構造になっています。

当然散るものもございますので、まったくというわけではありませんが、直接あたることを防ぐために『43度』を採用しています」

と説明する。

つまり、斜め後方から水を当てることによって、お尻を洗った水がノズルへ落ちることを防いでいるというのだ。


「43度」という角度が大事なのだ(画像はTOTOから)

もちろん、ウォシュレットを清潔に保つ対策はこれだけではない。

「ノズルの使用後に、外側だけでなく、(洗浄する水が通る)中のパイプを『きれい除菌水』で洗浄します。水を電気分解して、除菌機能を持った水にし、それでノズルの外も中も除菌するようにしています。またノズル自体も汚れが付きにくい加工をした樹脂を使用しています」

松竹さんが言う「きれい除菌水」とは、水に含まれる塩化物イオンを電気分解して作られる除菌成分(次亜塩素酸)を含む水だという。時間が経つと水に戻り環境にも優しく、薬品や洗剤を使用しているわけではないとも述べた。

結局のところ、公衆トイレのウォシュレットは清潔といえるのだろうか。

松竹さんによると、

「外ですと管理状況が異なりますので、一概にどうかとは言えないのですが、弊社ができることはお掃除がしやすく、また汚れが付きにくい、それから除菌ができる機能を持たせることなどです。なるべくお客様に安心して使っていただけるように取り組んでおります」

とのことだった。

確かに、メーカー側がまったく想定していない使用法をする人がいたら、いちいち対応はできないだろう。利用者側のマナーも求められる気がする。

ひとまず家に帰ったらウォシュレットが「43度」となっていることを確認してみようと思った。