【ソウル聯合ニュース】韓国で日本製品の不買運動が広がる中、日本の小説の出版を控える雰囲気だった韓国の出版業界から久々に新刊が登場した。今週、三津田信三の「黒面の狐」と東野圭吾の「同級生」の2作品が店頭に並んだ。他の日本作品も続くか注目される。

 日本の対韓輸出規制を受け、韓国では日本製品の不買運動や日本旅行の自粛が一気に広がり、出版業界も7月末、8月初めごろから日本書籍の出版を控えるようになった。業界関係者は14日、「にわか雨をやり過ごそうという心情で出版を先送りにしていたところが随分あったのは事実」と明かした。

 韓日関係の冷え込みが本格化するまで、韓国の文学界と出版業界にとって日本の小説は主力商品だった。日本の小説抜きで文学分野の出版を成り立たせるのは難しいというのが業界関係者の説明だ。実際に今年上半期に大手書店の教保文庫でベストセラー総合ランキング上位20入りした作品のうち小説は4作品で、うち2作品が日本の小説だった。韓国の小説は一つも入らなかった。

 「黒面の狐」はホラーミステリーの旗手、三津田信三の新シリーズ。連続怪死事件の現場で目撃される黒い狐の面をかぶった人物が事件の鍵を握る。

 韓国でも絶大的な人気を誇る東野圭吾の「同級生」は学園ミステリーで、今回翻訳と装丁を一新して出版された。