映画『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』の大ヒット御礼舞台あいさつが13日に新宿バルト9で行われ、日本語吹替版に参加した声優の多田野曜平(ペニーワイズ役)と細谷佳正(主人公ビル役)が登壇。アフレコの様子を振り返って多田野は、歌のシーンは「ほぼアドリブ」だったことを明かした。

 スティーヴン・キングの代表作を実写化した大ヒット映画『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』の続編となる本作。前作から27年後を舞台に、子どもの命ばかりを狙うペニーワイズに立ち向かったいじめられっ子たち“ルーザーズ・クラブ”が再び戦いに挑む。

 映画の舞台あいさつは初めてという多田野は、声を担当したペニーワイズのコスプレ姿で登場し、「やぁ、みんな。おいら、ペニーワイズ。踊るピエロだよ」と陽気にあいさつ。過去にはクリント・イーストウッドの吹き替えなども経験してきたベテランだが、最近は「チビやハゲ、小動物、エイリアンの役が多いんです」とボヤくと「とにかく何でもいいから主役がやりたい! と常日頃から公言していて、来た仕事がコレだった」とオファー時を振り返る。

 続けて、今回の役は自身が描いていた主役像とは「だいぶズレてた」と笑う多田野。顔が似ているという理由で選ばれる“顔キャスティング”と思われているのでは? と考え、スタジオに行くのが恥ずかしいと思ったこともあったことを明かす。しかし、役にはすぐに入り込めたそうで「楽しくやれました。顔がそっくりだから自信はあった」と語ると、細谷は「(ペニーワイズよりも)カッコいいです。ジョーカーを彷彿とさせます」と絶賛した。

 アフレコ時のエピソードに話が及ぶと、ペニーワイズが歌いながら空から登場するシーンについて、多田野は「譜面もなく、ほとんどアドリブです」と暴露。一方、主人公ビルの声を担当した細谷は吃音に苦労したようで、演じるジェームズ・マカヴォイの口に合わせるのではうまくいかず、「吃音でどれだけ言葉が出てこない時間があるのか、予想がつかなくて大変でした」と振り返った。

 この日は、公開でのアフレコも実施。声の演技を観客の前で披露した多田野は「めっちゃ恥ずかしい」と照れ笑いを浮かべるも、細谷は「すごい迫力でした。改めてすごいなと思いました。すごく怖かった」と勇姿を褒め称えた。(取材:錦怜那)

映画『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』は全国公開中