日本歴代ボクサーではファイティング原田&具志堅用高に並ぶと評価

 ボクシングのワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)バンタム決勝でノニト・ドネア(フィリピン)に判定勝ちを収めたWBAスーパー&IBF王者・井上尚弥(大橋)。米専門誌「リング」のパウンド・フォー・パウンド(PFP)で4位に選出されている26歳は、バンタム級史上最強なのか。同雑編集長は同級の歴史におけるモンスターの格付けについて迫っている。

 バンタム級転向4試合でいずれも世界王者を倒した井上。数々の名ファイターが歴史を刻んだバンタム級で、かつてのレジェンドをモンスターは倒せるのか。「ボクシングの聖書」と呼ばれるリング誌の編集長を務めるダグ・フィッシャー氏は、同誌公式サイトのQ&A企画で読者の質問に独自の見解を示している。

「歴史上最も偉大なバンタム級の選手たちに、イノウエは通用するのか? 彼らも彼(井上)のスピード、パワー、正確性に敬意を払う必要がある。それは全てがとても堅実な基礎技術に裏打ちされたものなのだ。しかし、36歳の段階のドネアと死線を超えるような戦いをしたばかりなので、全盛期のブラウン、オリバレス、ジョフレ、サラテを差し置いて、彼を選ぶことはできない。何れにしても、現段階では、ということだが」

 フィッシャー氏はモンスターの実力を高く評価した一方で、全盛期を過ぎたといわれるレジェンドと死闘を演じたことにも注目。その結果、現時点ではエデル・ジョフレ(ブラジル)、カルロス・サラテ(メキシコ)、ルーベン・オリバレス(メキシコ)、パナマ・アル・ブラウン(パナマ)という伝説のバンタム級王者と比較するのは時期尚早と分析している。

 しかし、一方、日本人歴代ボクサーの格付けでは頂点に近づいているという。「達成という部分においては、偉大なる日本人ボクサーの殿堂において、イノウエはすでにハラダのすぐ後ろまでつけている。生来の才能という部分では、ハラダとグシケンに並んでいる」と同氏は持論を語った。26歳にして、ファイティング原田、具志堅用高という偉大な日本人レジェンドの領域にたどり着こうとしている井上。WBSS制覇で、その名声は高まる一方だ。(THE ANSWER編集部)