リング誌読者とのQ&A企画で主役に

 ボクシングのワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)のバンタム決勝でノニト・ドネア(フィリピン)に判定勝ちを収めた、WBAスーパー・IBF王者の井上尚弥(大橋)。米興行大手トップランク社と契約し、来年のメガマッチ実現に期待が集まる中、米専門誌「ザ・リング」の編集長は井上の上限階級を「スーパーバンタムかフェザー級」と分析。そして、スーパーバンタム級ではWBO王者エマヌエル・ナバレッテ(メキシコ)とのタイトルマッチを「極上のマッチアップ」と評価している。

 WBSS制覇で世界でさらにその名を知らしめたモンスター。「ボクシングの聖書」と呼ばれる同誌では過去2度に渡って井上を表紙に抜擢しているが、ダグ・フィッシャー編集長と読者とのQ&A企画のテーマもモンスターが主役だった。

 2012年にライトフライ級からキャリアをスタートさせ、現在はバンタム級で3階級制覇を達成しているが、フィッシャー編集長は井上の階級の上限については「ジュニアフェザー(スーパーバンタム)かフェザー」と分析。5階級に挑めると見ている。

 またスーパーバンタム級に昇級した場合に、WBA王者ダニエル・ローマン(米国)、WBC王者レイ・バルガス(メキシコ)との対戦を希望する意見に対しては、別の最高のライバルの存在を指摘している。

早くも1階級上の対戦相手が話題「ローマン、バルガスに挑戦する姿も見たいが…」

「それでもいいだろう。この若者はボクシングスタイルも可能だ。完璧なファイターだ。それをドネア戦で証明した。私はローマンかバルガスに挑戦するイノウエをもちろん見たいが、トップランクと契約したことは122ポンド(約55.3キロ=スーパーバンタム級)のタイトルホルダーで彼が対峙することになるのは、エマヌエル・ナバレッテだ。極上のマッチアップだ」

 WBOの同級王者ナバレッテは凄まじい勢いで試合を重ねている。8月17日にフランシスコ・デ・バカ(メキシコ)とのタイトルマッチで3回KOで2度目の防衛に成功したが、その次戦は中28日という異例の試合間隔の短さで同2位ファン・マヌエル・エロルデ(フィリピン)に4回26秒でTKO勝ち。3度目の防衛に成功していた。

 ローマン、バルガスというボクサータイプの王者にもオールラウンダーの井上なら対応可能と分析する一方で、同じトップランク社がプロモートする24連勝中のメキシコのハードパンチャーとのマッチアップが実現なら「極上」だと表現していた。(THE ANSWER編集部)