“日本の至宝”がついに覚醒した。スペイン1部マジョルカのMF久保建英(18)が移籍後初ゴールを決め、欧州4大リーグの日本人最年少ゴール記録を18歳5か月6日に更新。今後のスタメン定着を確実にし、世界屈指の名門レアル・マドリードへの復帰条件とされている年間10ゴール10アシストも“射程圏”に入ったが、ピッチ外でも大きな課題が突き付けられている。

 ようやく真価を見せた。3―1で勝利したビリャレアル戦(10日)で先発した久保が、初ゴールを含め全得点に絡む活躍で勝ち点3獲得に貢献。FW森本貴幸がイタリア1部カターニャ時代の2007年にマークした欧州4大リーグ(スペイン、イタリア、イングランド、ドイツ)の日本人最年少得点記録(18歳8か月21日)を更新した。

 久保は「一つの大きな夢がかなったが、これを続けないといけない。ボールを受けたときはシュートを打つと決めていた。この入った感覚を維持していければいい」と喜びを交えてコメントし、自身のプレーについては「10点満点と言いたいですが、いくつかミスもあったので9点」と笑顔だった。

 バルセロナの下部組織出身でJ1FC東京を経て18歳でRマドリード入団という異例の経歴。今夏にレンタルでマジョルカに加入後は、先発で出られずにモヤモヤした日々を過ごしてきた。それでも今回の活躍でレギュラーへの“昇格”は確実。出場時間増でさらなる躍進は間違いない。特に来季のRマドリード復帰に向けて「10ゴール10アシスト」が絶対条件とされる(本紙既報)中で、チーム内での地位を確立し目標を達成するための準備を整えたと言える。

 その一方で、公認資格を持つ選手代理人で元日本代表のカズことFW三浦知良(52=J2横浜FC)をサポートした田路雅朗氏(64)は、世界的ビッグクラブへの再加入は簡単ではないという。

「仮に久保が10ゴール取ったとしても、スターにならないと復帰は難しいだろう。あのクラブはマーケティング面もしっかりやっているから、プレーが良くても人気がないとダメじゃないか。もともと日本人は評価が低いし、外国人枠もあるんだから、ピッチ外でもチームに貢献できると判断されないと…」

 久保は7月の南米選手権で注目されたものの、まだ世界的に高い知名度があるとは言えない状況。国際舞台を戦う日本代表でも活躍できずにいる。それだけにRマドリードでプレーするには、実力とともにレプリカユニホームの販売力やスポンサー獲得につながる世界規模の人気が欠かせないのだ。

 もちろん、久保がシーズンを通してマジョルカで結果を出した上で来夏の東京五輪に出場、好パフォーマンスを披露して日本の金メダル獲得に貢献すれば、世界中から熱視線が注がれるのは間違いない。知名度が上がれば、来季から“白い巨人”に復帰することも十分に可能だろう。

 久保は帰国して東京五輪に向けたU―22日本代表に合流し、17日のU―22コロンビア戦(広島)に臨む。再びゴールを決めて日本を勝利に導けるか。