【ソウル聯合ニュース】韓米軍当局は、大規模な合同空軍演習「ビジラント・エース」に代わる合同空中訓練を今月中旬に実施する。韓国政府の消息筋が7日、伝えた。

 

 北朝鮮は今回の訓練に関して「忍耐心が限界に近付いている」と非難しており、訓練期間にミサイルを発射するなど武力示威に乗り出す可能性も提起される。

 韓国政府の消息筋によると、今回はビジラント・エースに比べて規模を縮小し、韓国空軍と米空軍がそれぞれ訓練を行い、大隊級以下の合同戦力が空中での準備態勢を点検する形式になるという。

 空軍は昨年、ビジラント・エースの実施が見送られたことを受け、同年12月3日から7日まで主力戦闘機のF15Kなど数十機の戦力が参加して戦闘準備態勢の総合訓練を行った。

 合同空中訓練の実施に関して、北朝鮮のクォン・ジョングン外務省巡回大使は今月6日に発表した談話で「われわれは決して米国の無謀な軍事的動向を座視しない」とし、「忍耐心が限界に近付いている」とけん制した。また「米国防総省は、シンガポールで開かれた朝米(米朝)首脳会談以降、中止すると公約していた南朝鮮(韓国)軍との合同空中訓練を12月に再開するための手続きを踏んでいると公式発表した」とし、「ストックホルム朝米実務協議が決裂してから1カ月で米国が合同空中訓練計画を発表したことは、われわれに対する対決宣言としか解釈できない」と主張した。

 米国防総省のイーストバーン報道官は6日(米東部時間)、米政府系放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)に対し、北朝鮮が韓米合同空中訓練の計画を非難したことについて「われわれは北朝鮮の憤りを基盤に訓練を行ったり規模を調整したりしない」と明らかにし、北朝鮮との対話を維持した上で韓米準備態勢を保障するとの姿勢を示した。

 米政府系のラジオ自由アジア(RFA)も、米空軍のゴールドフィン参謀総長が今は韓米合同空中訓練が必要な状況だと明らかにしたと報じた。

 韓国国防部の崔賢洙(チェ・ヒョンス)報道官は7日の定例会見で、合同空中訓練に関する質問に対し「韓米は合同準備態勢を維持するために訓練ごとに細部の実施案を緊密に協議し、調整・実施している」と説明した。

 鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防部長官は、4日に開かれた国会国防委員会の全体会議で、今年の合同空中訓練に関して「あらゆる状況を考慮して調整された方式で通常通り実施する計画だ」とし「実質的な能力を備えられるように計画し、行う」と述べた。