日本サッカー協会(JFA)は、今後海外から日本に留学する選手が小学生から高校までの公式戦に出場できないと理事会で報告しました。これは国際サッカー連盟(FIFA)の「18歳未満の選手の国際移籍を原則的に禁止する」という規定を適用するからです。

ただ、僕たちの前の時代から国際留学はありました。たとえば三渡洲アデミールさんは東海第一高に留学し、1986年度の第65回全国高等学校サッカー選手権大会で初出場、初優勝に導きました。

そういう留学生は日本サッカーにたくさんのものをもたらしてくれました。テクニックを知ることはもちろん、海外のチームや外国人とプレーする機会が少ない高校生以下のチームにとって、留学生がいたり、留学生がいるチームと対戦するというのは国際経験を積むのにとても役だったのです。

各国の代表チームを見ると、生まれた場所が違うけれどもその国の国籍を取得し、活躍している例をたくさん見ることができます。2018年ロシアワールドカップで優勝したフランスもその典型の1つではないでしょうか。ラグビー日本代表も、多国籍のメリットということを教えてくれたと思います。

国際化が進み、いろいろな国の人たちの文化を取り入れて一緒に何かを作り上げていくという流れになっているのに、ここで留学生を大会から排除するというのは時代に逆行しています。また、留学生は「国際移籍」ではなく日本で学習していて、利益を得るためだけに日本に来ているのではないのです。

ここはJFAが「留学」と「国際移籍」の違いに対するガイドラインを作り、それをFIFAに主張して留学生の公式戦出場を認めさせるべきではないでしょうか。留学生にもメリットはあるのでしょうが、より多くの日本人にもメリットがあることを忘れてはならないと思います。