破産申請中で競売にかけられていた「バーニーズ・ニューヨーク(Barneys New York、以下バーニーズ)」の売却先が、かねてより有力視されていたファッションライセンス事業を行うオーセンティック・ブランズ・グループ(Authentic Brands Group、以下ABG)に確定した。売却額は約2億7,100万ドル(約290億円)。これにより米国内の既存店舗およびウェアハウスはほぼ閉鎖し、約2,000人にのぼる従業員も解雇される見通し。

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 バーニーズは今年8月に破産を申請。旗艦店であるニューヨーク・マディソンアヴェニュー店を含む一部店舗は営業の継続が発表されていたが、売却先のABGは残った店舗の閉店を示唆し、バーニーズの競合に当たる「サックス・フィフス・アヴェニュー(Saks Fifth Avenue)」にブランド使用権を譲渡することを発表していた。

 バーニーズはより良い条件下での売却先を模索していたが交渉は難航。バーニーズの存続意義を訴え、救済プロジェクト「@savebarneys」を立ち上げ資金調達に奔走していたスニーカーブランド「キス(KITH)」共同創設者のサム・ベン・アブラハム(Sam Ben Avraham)も、入札が困難としてやむを得ず断念した旨をインスタグラムに投稿した。

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 マディソンアヴェニュー店は、規模を縮小しポップアップショップとして少なくとも1年は営業を続けていくと報じられているが、店舗のほとんどは閉店し、今後はサックス・フィフス・アヴェニュー内のショップインショップとして展開されるという。また、バーニーズCEOのダニエラ・ヴィターレ(Daniella Vitale)は10月31日付で同職を退任した。

 なお、日本国内にある12店舗はセブン&アイ・ホールディングスによるライセンス契約に基づく別経営のため今回の売却では影響を受けず、今後も通常通り営業を継続するという。

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