最近、慰安婦を嘲笑する広告を出したという“疑惑”が浮上したユニクロに対して、韓国市場からの撤退を要求する声が増えている。

一部の韓国消費者は、ユニクロが売れ行き好調という記事について、「世論を操作するトリック」など頭から否定したりもしている。

ユニクロは最近、15秒ほどの「ユニクロフリース:LOVE&FLEECE」の広告を公開した。

【画像】ユニクロが慰安婦を嘲笑? 韓国でフリース広告が炎上

その広告映像に登場する90代の女性は、「そんな昔のことは覚えていない(I can not remember that far back)」という英語のセリフを話した。

しかしユニクロは韓国版の広告では、そのセリフに「80年も前のことをどうやって覚えているのか?」と字幕をつけて、韓国国民の怒りを買った。

10月20日、誠信女子大学ソ・ギョンドク教授によると、今から80年前の1939年は日本統治時代で、日本が「国家総動員法」を根拠に強制徴用を本格化した時期だという。したがって韓国にとっては、敏感にならざるを得ない時期だ。

しかもアメリカや日本版の広告映像には、そんな字幕が挿入されていないということで、議論がさらに高まった。

ソ・ギョンドク教授は「韓国の字幕にだけ“80年前”と言及した」とし、「これは本当に意図したとしか考えられない広告だ。不買運動を超えて、撤退運動を広げていきたい」と思いを明かした。

撤退騒動が巻き起こったことでユニクロは、該当の広告を中断。「最近放映されたユニクロのフリース広告に関連した噂はまったく事実ではない」とし、「映像に登場する98歳のファッションコレクターと13歳のファッションデザイナーの年齢差が85年であることを踏まえて、字幕処理した」と説明した。

字幕を見ると、左の韓国版だけ「80年」という文字が入っている
「慰安婦を侮辱したようには見えない」vs「ありえない」

今回の騒動と関連して、韓国広告業界の見方は交錯している。

とある大手広告企画会社側は、「該当の広告に関与していないが、広告が慰安婦を侮辱したものには見えない」と述べた。

一方、他の広告代理店関係者は、「商業広告の本質的な目的である“消費者への説得”を放棄した広告」とし、「SPAブランドをリードする企業が問題になりうる字幕を入れることは、ありえないことだ」と批判した。

韓国内180以上のユニクロ店舗を運営しているエフアールエルコリアは、ユニクロの日本本社であるファーストリテイリングとロッテショッピングがそれぞれ51%、49%の持分を出資して、2004年12月に設立した企業だ。

エフアールエルコリアは“日本不買運動”の直撃を受け、一時売り上げが70%急減した。

そんな状況のなかでもユニクロは最近、新規店舗とヒートテック、フリースなどの人気商品の新製品を出して、盛り返しを見せた。また韓国進出15周年、オンラインストア10周年を記念するとして、大々的な割引、プレゼント贈呈イベントを積極的に行った。

これに対して一部のメディアは、「不買運動が縮小する局面に入った。ユニクロの店舗が再び賑わいながら、エフアールエルコリアは売り上げを回復する」との肯定的な記事を出した。

しかし一部の消費者は、“慰安婦嘲笑騒動”後、ユニクロの「世論を操作するトリックにだまされない」などとし、「以前の全盛期のとき完売になっても2日後には在庫が補充されたが、その時よりも売上が好調というのは話にならない」と指摘した。

消費者が指摘するように、ユニクロは在庫がどの程度あったのか、以前の全盛期に比べて売り上げがどれほど回復したのかを正確に明かしていない。ただ「売り上げが回復中、騒動が起きて残念」という立場だ。