10月23日(水)、都内でも屈指のハンバーガー激戦区である下北沢に新たにハンバーガーショップ「BURGERS TOKYO」がオープンする。東京発というスタイルにこだわる同店を早速取材、そして肉感溢れるハンバーガーを実食レポートする。

【写真】横から見ると、溢れるような肉の塊

■ 下北沢から新しいスタイルを発信したいという想いから誕生

下北沢駅北口から徒歩5分圏内にある同店。近くには昔ながらの店舗と、若者が好みそうな雑貨屋が軒を連ねている「下北沢らしい」商店街の中に、突如現れる黒を基調としたオシャレな2階建ての店舗が「BURGERS TOKYO」だ。

「BURGERS TOKYO」のオーナーである新田拓真氏は、テラリウムやグリーンアートなどのボタニカルインテリアブランド「Urban Green Makers」を立ち上げた株式会社USTUSの代表で、飲食店の経験はないという。

この「Urban Green Makers」のユニークなところは、商品が売れるごとにNPO法人を通じてアフリカや被災地といった緑が必要な地域に苗木を贈るという点。

そんな新田さんが、活動の第2弾として思いついたのが「ハンバーガーが売れる度に、ケニアの児童に1食分の給食を支援する」というもの。ハンバーガーなら日本人はもちろん、インバウンド需要も見込める。「Urban Green Makers」も「BURGERS TOKYO」も、アプローチは違えど利用すれば利用するほど、自分はもちろんのこと、発展途上国の支援にもなる。

ではなぜ下北沢の地なのか。新田氏は「下北沢には、音楽やファッションといったカルチャーが複雑に入り混じった場所です。この土地から東京発のハンバーガーやカルチャーを世界に発信していきたい」という。それゆえ2階の壁にはインスタグラムでのフォロワー数が7万3千人を超える新進気鋭の写真家、Naohiro Yako氏による東京の風景写真が飾られており、スタイリッシュであると共に「東京で活躍するブランドやアーティストとコラボレーションして、このハンバーガー店をカルチャーの発信拠点にする」という意気込みが伝わってくる。

店内は、下北沢らしさに溢れている。1階はレジカウンターと厨房、階段を上がり2階が飲食スペースになるのだが、1階はどこかサッパリとした雰囲気。一方2階はウッディーな装いで、いずれも下北沢の今を感じさせる。

店内ではフードやドリンクのほか、ロゴ入りのウェアやグッズも販売している点にも注目。面白いのはサーフボードの形をした小さなアクセサリーで「昔のサーフボードを加工して作りました」とのこと。どれ一つ、同じものはないようで、ここにも下北沢らしさが溢れている。

■ 肉をむさぼる喜びに震える圧倒的なボリュームと抜群の旨さ

「BURGERS TOKYO」が販売するハンバーガーは、すべてセットで1000円を優に超える、いわゆるプレミアムハンバーガーと呼ばれるものだ。競争の激しい市場で、どのような特徴があるのだろうか。

今回食べたのは、オススメメニューのひとつである「チーズバーガーコンボ」の「ダブルパティ」1780円。注文してから出来上がるまでに約10分ほど。

目の前に現れた「チーズバーガーコンボ」の「ダブルパティ」セットは、一言で言えば「インスタ映え」すること間違いナシのボリューミーさ。パティからは肉汁が溢れ、その上に乗ったチーズはトロリとパティにかかっている。程よく焼けたバンズに挟まるのは、肉とチーズのほか、青々としたレタスとチラリと見えるスライストマト。真横からみると、その迫力に圧倒される。

早速、テーブルにある包み紙にバーガーを入れてガブリと食べようとすると…あまりのサイズに口におさまらない。女性はギュッと潰して食べることになるだろう。

「BURGERS TOKYO」のハンバーガーは、ケチャップやマヨネーズといったものはかかっておらず、塩コショウのみというシンプルな味付けの“塩バーガー”だ。それゆえ肉の味がダイレクトに伝わり、パティのボリューム感と相まって「肉を食べている」感が強烈の一言。しかも超が付くほどの粗びきな上に「つなぎ」を使わないというこだわりっぷり。まるで小籠包のごとく肉汁が口の中に流れ込んでくる。それでいてたっぷりと塗られた粒マスタードによって味わいはスッキリ。これは病みつきになること間違いナシ!

まさに「肉を貪る」という感覚に拍車をかけるのがオリジナルのバンズ。フワッとしていながら適度な弾力は、まさに「噛み切る」という印象。バンズそのものに「ぶどう酵母」パンのようなほのかな甘みがあり、これが肉にマッチする。さらに食べ進めるとバンズが肉汁を吸い込み、旨味をまとったバンズへと昇華する。さらに同店ならではの特徴がもう一つ。テーブルに備えられた「オリジナルマヨ」「バジル&チーズ」「トリュフBBQ」という3種類のソースだ。

これをパティにかけて食べると、肉の味を損なわずに味変が楽しめる。三種三様でどれもうまいのだが、オーナーのオススメはオリジナルマヨ、記者のオススメはトリュフBBQ。

このBBQソースが適度な甘さで、バンズの甘味と相まって、まるでスペアリブのような味わい変化する! とはいえ、たっぷりかけすぎると、包み紙の中が大変なことになるので、ちょっとかけてはパクっと食べるのがオススメだ。

ハンバーガーのお供といえばフライドポテト。「BURGERS TOKYO」のそれは、クリスピーなフレンチフライを提供している。こちらもカリっとしながらホクっと柔らかい、まさに絶妙な揚げ加減。ソースをたっぷりかけて頂くもよし、もともとの塩味で楽しむもよしだ。

「東京発のハンバーガーブランドを世界に発信していきたい」とオーナーは展望を語る。食べて美味しく、カルチャーを発信する。下北沢を訪れた際は、”新名物のハンバーガー”をぜひ楽しんで。(東京ウォーカー(全国版)・栗原祥光)