サラゴサのサポーターから、ピッチを去る背番号23に怒号が飛んだ。

 現地時間10月20日に行なわれたラ・リーガ2部の第12節で、ミランデスを本拠地デ・ラ・ロマレーダで迎え撃ったレアル・サラゴサは、1-2で敗戦。今シーズン初の連敗を喫して順位を5位に落とした。

 開始早々からミランデスの積極果敢なプレッシングに押されたサラゴサ。そのなかで2試合ぶりに先発に復帰した香川真司は、自陣でビルドアップに絡むなど奔走したが、肝心のゴール前では、仕事ができず。深刻な心臓疾患が発覚したガーナ人FWのラファエル・ドゥワメナを欠く攻撃陣を牽引するような存在感を誇示できなかった。

 そんな香川へはサラゴサ・サポーターも手厳しい反応を見せ、70分にミゲル・リナレスと交代する際には、スタンドの一部からブーイングが飛んだ。

 地元メディアの日本代表MFに対する評価も辛辣だ。

 地元紙『SPORT ARAGON』は、寸評採点において、香川に及第点以下の「5点」という厳しい評価を与え、こう綴った。

「以前の試合よりは少しずつ良くなっている。ボールを持ったときのプレーは鋭く、ボールを持ち、前にスペースがあるときにはスピードがあった。ただ、今のカガワのレベルは世界的スターとしての期待を下回り続けている」

 より辛辣だったのは、地元メディア『El Desmarque』だ。精彩を欠いた香川に対して「4点」を付け、さらにそのパフォーマンスには「また輝けなかった」とこき下ろした。

「期待された日本人はまたも輝けず。今日、シンジ・カガワという明かりは一度も灯されることもなく、それはチームがチャンスを創出できないことに繋がった。幾度か放ったシュートは、相手にとって危険なものではなかった」

 開幕5戦で4勝1分けと好スタートを切りながら、直近6試合で1勝2分け3敗と完全にトーンダウンしてしまっているサラゴサ。そんな状況下で香川は再び輝きを放てるのか――。彼の活躍が古豪復活の命運を握っているといっても過言ではないだけに、復調に期待したいところだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部