韓国出身の25歳、17年に代表入り「悲しいけど、やり切った」

 ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会は20日、東京スタジアムで準々決勝が行われ、日本と南アフリカが4強入りをかけて激突。過去2度の優勝を誇る強豪に対し、日本は健闘及ばず3-26で敗れ、涙をのんだ。17年から代表に加入した韓国出身のPR具智元は試合後、「凄くいいチームだった」と感謝した。

 世界屈指の南アフリカFW陣と体を張り、後半24分に退くまで戦い続けた。試合後、具智元は「悲しいけど、やり切った」と語り、胸を張った。スクラムでは相手の反則をもらうシーンもあり、「相手のFWは凄い重くて、スピードもあった。後半、そこで受けて回された部分もあった。ペナルティを取れたのはすごくうれしかった」と手応え。それでも「次の日本代表の時にもっと自信を組んでいきたい」と視線を上げた。

 韓国出身の25歳。元韓国代表の具東春さんを父に持ち、中学時代に来日すると、日本文理大付属高、拓大と日本で実力を磨いた。17年11月に日本代表初キャップ。2つの祖国を背負い、赤と白のジャージをまとって日本のために泥にまみれた。今大会、1次リーグ最終戦のスコットランド戦で脇腹を負傷し、前半で負傷交代する際には男泣き。誰よりも強く、闘争心を持ち続ける姿は、確かに観る者の心を打った。

 初のW杯を終えた具智元は「2年間、このチームでやらせてもらった。みんなハードワークして、この大会のために準備してきたことが出せたと思うので、うれしい」と笑顔。その上で「凄くいいチームだった」と語った。(THE ANSWER編集部)