ズラタン・イブラヒモビッチとロサンゼルス・ギャラクシーの契約は、2019年いっぱいとなっている。10月20日に行なわれるプレーオフ初戦のミネソタ・ユナイテッド戦が、ギャラクシーでのラストゲームになる可能性もある。

 その後のことは、まだ決まっていないという。イタリア紙『Gazzetta dello Sport』のインタビューで、イブラヒモビッチは「38歳だが少年の情熱、変わらぬ勝利への意欲がある。自分にとってそれがすべてだ」としたうえで、「契約は12月までだが、その後のことは考えていない。家族と落ち着いて検討する」と述べた。

 年齢を考えれば、スパイクを脱ぐという選択肢も除外できない。元スウェーデン代表FWは、「様子を見よう。続けるには、特別な何かを見つけなければいけない。自分の中で炎を保てるような何かをね」と話している。
 
 故郷マルメで引退する可能性はないとしているが、イタリア復帰の可能性については、「イタリアは2番目の家だ。イタリアでは多くの忘れられない瞬間を経験した。話はすべて聞く」と、含みを持たせた。

「チームに関係なく、自分はベストを目指して戦いたい。イタリアに戻るなら、スクデットを狙いたいんだ。イブラヒモビッチだからというだけで信頼するチームを探してはいないんだ。自分は動物園の動物みたいな見せ物じゃない。まだ違いをつくることができる」

 興味深いのは、インテルでともに仕事をした経験のあるシニシャ・ミハイロビッチとのエピソードだ。イブラヒモビッチは現ボローニャ監督を「友人」と称し、「ボローニャを選ぶとしたら、その理由は彼だけだ」と明かしている。

「彼とは連絡した。『ここならほかの選手はお前のために走る。前にいて、ゴールを決めるだけだ』と誘われたよ。彼に感謝するね。だが、実現は難しいだろう。考えが変わったら、すぐ彼に連絡するよ。自分は今でもセリエAで20ゴールを決めることができるからね」

 また、ディエゴ・マラドーナに捧げるドキュメンタリーを見たとも話し、「あの街の愛情を見ると、ナポリを経験してみたいという気にもなるかな」と口にした。

「マラドーナがやったことを繰り返したらファンタスティックじゃないか。ナポリに行くとは言っていないよ。最終的な決定は、多くの観点による。でも、ナポリは情熱をつくる街だ。自分がいたら、サン・パオロは毎週満員だろう。それに、カルロ・アンチェロッティという偉大な監督もいる」
 
 そのアンチェロッティが率いていた黄金期が遠い昔となり、近年低迷が続いている古巣のミランに対しては、「ひどいね。言葉ばかりで行動がない」と、辛辣な言葉を突き付けている。

「イタリアや世界でみんなが愛したクラブじゃない。きっと今は、別の場所にいるべき間違った人たちがいるんだろう」

 1年前のこの時期、まだレオナルドが技術部門のトップだったミランへの復帰も噂されたイブラヒモビッチだが、若手重視のオーナー方針で実現には至らなかった。だが、コメントを聞く限り、イブラが現在のミランへの復帰に傾くことはなさそうだ。

 一方で、ナポリのアウレリオ・デ・ラウレンティス会長が、38歳となったイブラヒモビッチに高額サラリーを用意するのも考えにくい。それでも、ナポリの情熱に興味を示したイブラヒモビッチの発言は、様々な憶測を呼びそうだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部