【AFP=時事】オーストラリアで14日、連邦警察の幹部を殺害した冤罪(えんざい)で20年近く刑務所に収監されていた同国の元公務員に対し、700万豪ドル(約5億2000万円)を超える賠償金が支払われることになった。首都特別地域(ACT)の最高裁判所がACT政府に命じた。

 エコノミストとして政府に勤めていたデービッド・イーストマン(David Eastman)さん(74)は1995年、豪連邦警察官のコリン・ウィンチェスター(Colin Winchester)さんを殺害したとして有罪判決を受け、終身刑を言い渡された。イーストマンさんは無実を訴え続け、何度も再審を請求した後、有罪判決を取り消され、2014年に釈放された。

 ACT最高裁はこの日、ACT政府に対し、イーストマンさんに700万豪ドル超を支払うよう命じた。イーストマンさんは、少なくとも1800万豪ドル(約13億円)の損害賠償を請求していた。

 同裁判所に出廷したイーストマンさんは、有罪判決を受けたことで家庭を持ってキャリアを積む機会を失っただけではなく、服役中に母親と姉妹が死亡したと語り、獄中で殺人を目撃した上に、2006年に受刑者に襲われてから今も片目に障害が残っていると訴えた。

 サム・ティアニー(Sam Tierney)弁護士は首都キャンベラの裁判所前で報道陣に対し、イーストマンさんは判決に「非常に満足している」と語った。

 ウィンチェスターさんは1989年、キャンベラ郊外の自宅近くで車を降りようとしたところを銃で撃たれて死亡した。この事件については誰も責任を追及されていない。

【翻訳編集】AFPBB News