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Twitterは「世界のリーダー」のツイートについての原則とアプローチを公式ブログにて発表しました。

同社は主に米トランプ大統領のTwitter活用を巡って批判を受けていましたが、彼ら世界の指導者達のツイートが「自社のポリシーを超越しているわけではない」(無条件に許されているわけではない)と強調しています。Twitter公式ブログは前置きとして、自社のSNSが世界のリーダー達が発言する新境地であり、前例のないものだと認識していることを確認。ゆえにTwitterのジャッジも「イエスかNoか」といった二者択一の単純なものではなく、自社の判断やポリシーこそがオンラインスピーチの前例となる責任を理解しているとの趣旨を述べています。

そして自社の使命とは人々に情報を提供し、リーダー達と直接やり取りができるフォーラムを提供することであり、この場で行う決定の理由をTwitterユーザーに対してよりよく説明する責任を負っているとのこと。こうした「Twitterは公的な議論の場である」との見解は、トランプ氏がTwitterユーザーをブロックすることが合衆国憲法違反だとした米連邦裁判所の判決に従っているとも見られます。

さて、公式ブログの本文といえるのが上述の「指導者のツイートがTwitterのポリシーを超越していない」場合について。たとえばテロの促進、個人に対する直接の暴力的な威嚇、自宅の住所やプライベートな写真などの個人情報の投稿ないしシェア、子供の性的搾取、自傷行為の奨励などを行った場合は、アカウントの停止やツイートの削除などの強制措置を執行すると宣言されています。

もっとも、6月にはTwitterの投稿ルールに違反していたとしても、それを残すことが公共の利益になる可能性がある場合は削除しないとの方針が打ち出されています。つまり政治家が攻撃的なツイートをしたとしても、その発言を削除すれば人々から議論する機会が奪われる。あるいはそのツイートが一連の文脈の中にあって削除すると意味が通らなくなると見なされれば、言葉だけ取り出すとルール違反であれ、残される可能性があるわけです。

ともあれ、世界的リーダーであれツイートは野放しではなく、一定のルールのもとに置かれると明確にしたのは歓迎すべきことでしょう。

Twitterは「私たちの目標は、ルールを慎重かつ公平に実施することです。そうすることで、私たちは執行の意思決定に関する直接的な洞察を提供し、公共の議論に貢献し、リーダーから説明を聞く権利を保護する」と締めくくっています。

世界的リーダーの不穏なツイートを削除せずに残しておくことは、人々の扇動にも繋がりうる一方で、発言をした証拠を保全して批判の手がかりを提供する二面性があり、Twitterも扱いに困っていることは想像に難くありません。今後「公共の利益に関係なく、ただ暴力的なツイート」としてトランプ氏などがアカウント停止されることもあり得るのか、見守りたいところです。