前輪駆動の小型4ドアクーペ

BMWは、そのコンパクトカー・ラインナップの頂点に、新型2シリーズ・グランクーペを投入。この同社初の小型4ドアクーペは、ドライビング・ダイナミクスを重視して開発されたクルマになると、BMWは明言している。

メルセデス・ベンツCLAのライバルとして、来年3月に発売が予定されている2シリーズ・グランクーペは、2万5000ポンド(約350万円)前後の価格帯になると予想される。2シリーズという名前で、既存のクーペやコンバーチブル、アクティブツアラーに加わるものの、グランクーペにはこれらとは異なるプラットフォームが使われる。

「重視しているのはドライビング・ダイナミクス」とプロダクト・マネージャーを務めるゲルノト・シュトゥールはいう。

2シリーズ・クーペは依然として後輪駆動を維持しているが、新型グランクーペは最近発売された1シリーズと同じFAARプラットフォームを採用する前輪駆動になる。

グランクーペという名称は、2012年に4シリーズと6シリーズから使われ始めた。現在では8シリーズにも設定されている。

2シリーズ・グランクーペのプロダクト・マネージャーを務めるゲルノト・シュトゥールによれば、BMWは「3シリーズより小さなグランクーペを投入する余地が市場にある」と感じているという。

シュトゥールは、その「感情に訴えるコンセプト」が、より若くてデザインを重視する人々を惹き付けると語りながらも、「重視しているのはドライビング・ダイナミクス」と主張する。

そして、「このクルマではデザインとスポーティさを強調したいと考えました。しかし、強力なドライビング・パフォーマンスがなければ、本物のBMWとは言えません」と付け加えた。

機械面は1シリーズと共有

2シリーズ・グランクーペは、AUTOCAR本拠地のある英国ではまず3種類のグレードが発売される見込みだ。

エントリー・レベルの218iは、最高出力140psと最大トルク22.4kg-mを発生する1.5L直列3気筒ガソリン・エンジンを搭載し、トランスミッションは6速マニュアルと7速オートマティックから選べる。

AUTOCAR本拠地のある英国ではまず3種類のグレードが発売される見込み。

220dは190ps、40.8kg-mの2.0L直列4気筒ディーゼルを搭載するが、8速オートマティックのみの組み合わせとなる。

最上級モデルのM235i Xドライブは、2.0L直列4気筒ガソリン・ターボ・エンジンが306psと45.9kg-mを発揮。0-100km/hまで4.9秒で加速するが、最高速度は250kmh/でリミッターが作動する。

2シリーズ・グランクーペは現行型1シリーズと基本的な機械面を共有する。よってM235iには、トルセン式リミテッド・スリップ・ディファレンシャルや、ARBと呼ばれるタイヤ・スリップ・コントロール・システム、Mスポーツ・ブレーキが装備され、車体に補強も加えられるはずだ。

2シリーズ・グランクーペのサイズは、全長4526mm、全幅1800mmと、2シリーズ・クーペより94mm長くて26mm幅広い。

だが、ホイールベースは20mm短く、2670mmとなる。現行型3シリーズと比べると、183mm短くて27mm幅が狭い。

クーペより広い車内と使いやすい荷室

新型2シリーズ・グランクーペは、他のグランクーペ・モデルにならい、1シリーズよりもワイドな独自デザインのキドニー・グリルが採用される見込みだ。

標準モデルのグリルには縦のスラットが入り、M235iではメッシュが張られる。シリーズ最強グレードのM235iは、エアインレットも拡大され、専用の角形エグゾーストを備える。

2シリーズ・グランクーペの車内は、2シリーズ・クーペと比べると、座席の膝周りが33mm広い。

前後ともLEDが標準となるランプは、わずかにサイドに回り込む形状となる。ボディのサイドには2本のキャラクターラインが入り、彫刻的な陰影を生む。ホイールは16インチから19インチまで用意されるが、英国仕様では17インチが最も小さいサイズとなる。

BMWのデザイナーは、リアに水平基調のラインを多用し、ナンバープレートの位置を下げることで、低くワイドに見えるようにした。幅広いトランク開口部は、2シリーズ・グランクーペの後ろ姿に個性を与えるとともに、容量430Lの荷室に物を出し入れしやすいという実用性も兼ね備えている。荷室のフロア下にはサブトランクが備わる。後部座席は40:20:40の分割可倒式だ。

BMWによれば、2シリーズ・グランクーペの車内は、2シリーズ・クーペと比べると、座席の膝周りが33mm広く、頭上空間も余裕があるという。

運転席周りは1シリーズとほぼ共通。メーターパネルにはデジタル・インストゥルメントが備わり、オプションの10.25インチ・タッチスクリーンや、9.2インチのヘッドアップ・ディスプレイも装備できる。

センターコンソールのタッチスクリーンはわずかにドライバー側を向き、運転席側と助手席側で異なる素材をダッシュボードに用いることで両者を隔て、コクピットを強調するデザインになる。

2シリーズ・グランクーペは3シリーズの顧客を惹き付けることができるか?

BMWによれば、2シリーズ・グランクーペは3シリーズとは異なる顧客層(より若くてデザインを重視する人々)をターゲットとする位置づけになるという。同社のラインナップには、そこに新型モデルを投入する余地があると考えているのだ。

しかし、わたしは、3シリーズが大きくなりすぎたと感じている人々を取り込むのではないかと推測している。

3シリーズの(文字どおり)成長過程を埋めるクルマとも解釈できる新型2シリーズ・グランクーペ。

現行型3シリーズのサイズが拡大したことについては、多くのコメントがAUTOCARの読者からの手紙欄にも寄せられている。こんなふうに考えられるのではないだろうか。2シリーズ・グランクーペはE46時代の3シリーズより少しだけ大きく、E90型3シリーズよりわずかに小さい。

つまり、3シリーズの(文字どおり)成長過程を埋めるクルマであるということだ。

もちろん、クルマをサイズだけで考えることはできない。BMWは後輪駆動であるべきだと信じている多くの人にとって、前輪駆動の2シリーズ・グランクーペはE90の正統な後継にはなり得ないだろう。

前輪駆動に移行したことによって、BMWのハンドリングが損なわれるわけではない。それは最新の1シリーズ、特に四輪駆動のM135i xドライブに乗ってみるとわかる。だが、それはかつての3シリーズのようなドライバーズカーではけっしてない。もし、2シリーズ・グランクーペが、その領域に1シリーズよりも近づくことができれば、コンパクトなBMW製セダンを求めている人を惹き付けることができるかもしれない。

次期型M2は後輪駆動を維持

2シリーズ・クーペは、最強モデルのM2を含め、今後も後輪駆動を維持するようだ。

名称から想像するのとは異なり、新型2シリーズ・グランクーペは前輪駆動プラットフォームがベースになる。しかし、プロダクト・マネージャーのゲルノト・シュトゥールは、次期型2シリーズ・クーペの駆動輪を変更する計画はないと明言。「引き続き、別のプラットホームを使用します」と主張した。

次世代の2シリーズ・クーペに「人々が求めるハードコアなM2も依然として設定されるでしょう」とプロダクト・マネージャーはコメントする。

そして、次世代の2シリーズ・クーペに「人々が求めるハードコアなM2も依然として設定されるでしょう」と、シュトゥールは付け加えた。「306psより強力なコンパクトカーをお望みなら、2シリーズ・クーペにご用意いたします」。

BMWに、M235iより高性能なM2グランクーペを開発する計画はない。ドライビング・ダイナミクスに関しては、M235iで「不足ありません」とシュトゥールは言う。