今月から消費税が10%に増税されましたが、ポイント還元利用など、上手く利用すれば「お得」になることもあります。10月11日の『多田しげおの気分爽快!!〜朝からP・O・N』「金曜コラム」では、CBC特別解説委員の石塚元章が「お得な○○」について説明します。聞き手は多田しげおと山内彩加アナウンサーです。

バーゲンのはじまり

石塚「『お得』というと利益があるとか、儲かることですが、それに感覚的なもの、気分的なものが入ります。東海地方では『お値打ち』という言葉もありますね。
お得でパッと思いつくのはバーゲンセールです。最近は年中やっています」

石塚委員によれば、日本におけるバーゲンセールの嚆矢は江戸時代のこと。
日本橋越後屋が売れ残った布地、端切れをまとめて安売りしたところ、庶民に人気となりました。
この越後屋が、後に日本橋の三越百貨店になります。そのため現在で言うところの「バーゲンセール」を日本で最初に行ったのは三越といわれています。

石塚「要は在庫一掃ですから、お店にも処分できるというメリットがあります。在庫を上手に管理するというのはビジネスの鉄則です。両方ともお得感があるのがバーゲン、○○セールです」

食べ放題、飲み放題

石塚「他にお得感があるのが『食べ放題、飲み放題』です」

山内「大好き!元をとろうと思う」

石塚「お店の人に言わせると、『飲み放題』で得をするラインを越えて飲んでいくお客さんはまずいないとか。あれは必ずお店側が得をするようになっているそうです」

山内「やられた!」

石塚「なぜかというと、大量に仕入れることで単価を安く抑える。食べ物などはセルフサービスなので自分で取りに行く。人件費が抑えられる。時間制限もあるので、回転率を上げられる。このようにお店側にとっては確実にメリットがあります」

そして、お客側は「好きなものを選べる」「好きなだけ飲み食いできる」ということで満足を得られるわけです。

多田「好きなだけ、食べたいだけ、飲みたいだけ、これは幸せ感がありますね」

石塚「みんなでワイワイできるし、気を遣わなくていい。どこに満足感を得るかということで、お客さん側も割高とはいえ、お得な感じが出てきます」

お得な早割

石塚「最近、流行りなのが『早割』です」

多田「特に交通機関。飛行機などの航空チケット。早くとると随分安いのがあります」

石塚「飛行機とか新幹線、ホテル。経済的にいうとイールドマネジメント、あるいはレベニューマネジメント。イールドとは利回りとか利益。レベニューとは収入です」

ホテルや乗り物は座席や部屋数は限られています。お客さんが多いからといって急に増やしたり、少ないからと減らしたりできない商品です。
こういったものを扱っているところで、70年代のアメリカから発想が生まれました」

部屋や座席が残りそうな時は安く売ったり、早期の予約を促すことで確実に売り切るなど、いろいろな調整の仕方があります。
イールド(レベニュー)マネジメントとは、客の事情を見て、タイミングを読み、いついくら売ったらいいかというのを調整変動させるマネジメントです。

石塚「企業側のメリットは安くすることで売れ残りが減っていく。早割で先に予約してもらうと需要予測ができる。この路線はこのくらいの希望者がいるのかとわかる。
レベニューマネージャーという役職がいて、過去のデータとか、早割で申し込んできた人の需要とかにあわせて調整する」

多田「ホテルなんかオーバーブッキングして、余分にとっているけれども、これからキャンセルが出るとかあって、最終的100%にするのが腕の見せどころですね」

人生ほどほど

しかし、この「早割」にはデメリットも存在するという石塚。

石塚「食べ放題と違って、お客さんには明らかに安いことがわかります。すると今度は『あの人より高く買っちゃった』という不満が出てきます」

今回は「お得」がテーマではありますが、「人生で得を追求しすぎると嫌われます」という石塚。

石塚「『損して得取れ』ということわざもありますから」

多田「お得感のある人生、やってみたいですけどねー」

石塚さんは「打算的と言われないよう、ほどほどに」とまとめました。
(みず)
 

多田しげおの気分爽快!!〜朝からP・O・N
2019年10月11日07時24分〜抜粋(Radikoタイムフリー)