3本のオフロードパスが結実、稲垣の一撃を絶賛「ホスト国の魔法のトライ」

 ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会は13日、横浜国際総合競技場でのA組最終戦で日本がスコットランドに28-21で勝利し、史上初の8強入り。4連勝で首位通過を決めた。前半25分にPR稲垣啓太が代表初トライを挙げ、これが結果的に決勝トライとなった。本場ニュージーランドメディアは3本のオフロードパスをつないだ華麗な連携に注目。「魔法のトライ」「シャンパンラグビー」と絶賛している。

 世界中に衝撃を与えた横浜でのスコットランド撃破劇――。7-7で迎えた前半25分に生まれた勝ち越しトライはラグビーの本場メディアも驚かせた。「日本対スコットランド ホスト国の魔法のトライはラグビーW杯での特別な映像で捉えられた」と特集したのは、ニュージーランドメディア「stuff」だった。

「ボールをつなぎ続けた時、偉大なことが起こるという最高のお手本だったのではないだろうか。プロップのトライは美しいものでないことが多いが、日本のルースヘッド、ケイタ・イナガキのトライは間違いないほどに美しかった」。記事ではこのように伝え、美しい連携を「真珠」とまで評している。

 敵陣右のラックの場面から全ては始まった。田村が左に展開。堀江が相手NO8のタックルを見事なターンでかわすと、巨漢選手に再びタックルを受けながら、ムーアにパス。細かいオフロードパスの連続から、パスを受けたトゥポウがダイナミックな突進を見せ、最後に補まったが、フォローしていた稲垣にパス。圧巻の連携でトライを奪った。

「シャンパンラグビー」と表現、準々決勝の南アフリカ戦に期待の声

 田村から堀江、ムーア、トゥポウ、そして、代表初トライの稲垣。5人が仕上げた華麗なるフィニッシュについて、記事では「日本の観衆を有頂天にさせたシャンパンラグビーだった」と記事では絶賛している。

 史上初の決勝トーナメント進出を決めた日本。20日に行われる準々決勝で南アフリカと戦うことについても「彼らは東京で日曜夜に行われるスプリングボクス(南アの愛称)戦を心待ちにしている。15年W杯の大番狂わせが間違いなく彼らの心の中には存在する」とレポートしている。

 大会3連覇を狙う本場のニュージーランドメディアも酔いしれた日本の「シャンパンラグビー」。8強の舞台で新たにスーパープレーが生まれるのか。そうなれば、自然と4強の夢もぐっと近づいてくる。(THE ANSWER編集部)