アメリカでは銃による事件が後を絶たないが、大人だけでなく10代の若者や幼い子供が銃を手にする機会があることも一因と言える。だがこのほど銃を発砲した加害者が人間ではなく犬だったことで、緊急通報を受けたオペレーターも驚くしかなかったようだ。『New York Post』『Washington Post』などが伝えている。

今月3日の午後2時半頃、米オクラホマ州イーニドで「女性が撃たれた」と男性から緊急通報があった。通報したのはピックアップトラックを運転していたブレント・パークスさん(Brent Parks、79)で、撃たれたのは助手席に座っていた助手のティナ・スプリンガーさん(Tina Springer、44)だった。

ブレントさんが911に通報した音声を『New York Post』が入手しているが、そこには次のようなやり取りがあった。

ブレントさん「助けてくれ。助けが必要なんだ!」
オペレーター「こちらコール911。何があったの?」
ブレントさん「ああ、銃が暴発して…。」

ここでブレントさんの隣に座るティナさんが「お願い! 助けて」と叫んでいるのがオペレーターにも聞こえ、撃たれたのは女性だと判断したようだ。そこでオペレーターは銃を発砲した者について尋ねている。

オペレーター「彼女が自分で撃ったの?」
ブレントさん「いやぁ、弾が彼女の脚に当たったんだよ。」
オペレーター「で、彼女が自分で?」
ブレントさん「いや違うんだ。彼女じゃなくて、その銃が…。」
オペレーター「で、誰が彼女を撃ったの?」

誰がティナさんを撃ったのかなかなか明かさないブレントさんだったが、オペレーターからの再三の質問にこう返答したのだ。

ブレントさん「犬が銃を踏んでそれが発砲したんだ。」
オペレーター「犬が彼女を撃ったの?」
ブレントさん「そうなんだよ…。」

バツが悪そうに話すブレントさんだったが、ティナさんの太ももの出血が激しいため「とにかく救急車を呼んで欲しい」と依頼した。

なんと銃を発砲したのは、ブレントさんが飼っている生後7か月のラブラドール・レトリバー“モリー”だった。当時ブレントさんは踏切の手前で車を停め、列車が通過するのを待っていた。モリーは後部座席にいたが通過する列車に驚き、運転席と助手席の間にあるコンソールの上に飛び乗ったのだ。

しかしそこには22口径の銃があり、モリーは銃を踏みつけた際に引き金を引いてしまい、弾が助手席に座っていたティナさんの太ももを直撃したという。ティナさんはすぐに救急搬送され、セント・メアリーズ地域医療センターで治療を受けたとのことだ。

ちなみにブレントさんは「普段は銃を持ち歩くことはない」と話しており、警察では今回の件に事件性は無いと見ているが、イーニド警察のロバート・ノートン巡査長(Robert Norton)は「犬が人を撃つなんてことは今回が初めてで、これまでに聞いたことがありません」と話している。

画像は『New York Post 2019年10月10日付「Woman shot when puppy jumps on loaded gun during car ride」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)