2017年12月にモーニング娘。を卒業した工藤 遥。卒業とともに『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』への出演が決まり、憧れだった戦隊ヒーローを体当たりで演じた。

1年間の撮影を終えた彼女の次なる挑戦は、2017年にテレビアニメ化もされた、人気漫画を原作とする舞台『魔法使いの嫁』への出演。工藤は、生まれ持った特別な能力以外には、帰る場所も、生きる理由もなく、異形の魔法使いに『弟子』そして将来の『花嫁』として迎えられる少女・羽鳥チセを演じる。

同年代の役者の活躍に対する焦りや、自らの立ち位置について淡々と語る姿は、10代とは思えない落ち着き。その瞳には、これまでの輝かしい経験と明確な目標を胸に前進する、女優としての覚悟があった。

撮影/ヨシダヤスシ 取材・文/李 有眞 制作/iD inc.

『ルパパト』とは違う、原作のある役を演じる難しさ

10月5日から上演される舞台『魔法使いの嫁』で、主人公の羽鳥チセを演じられます。今回の出演が決まったときのお気持ちを、改めて聞かせていただけますか?
とにかく嬉しかったです。マネージャーさんから出演が決まったと聞いたときは、すぐに信じられずに3回くらい聞き返しました。

私はそこまでアニメとか漫画とかに詳しくないんですけど、『魔法使いの嫁』は知っていたので、その作品で、しかもチセを演じさせてもらえるなんて…こんなありがたい機会はないと思いました。
原作はオファーがある前からご存知だったのですね。
弟に教えてもらったんです。弟は漫画もアニメも全部見ていたらしく、出演することを伝えると「くれぐれも作品の質を落とすようなことはしないように」と釘を刺されました(笑)。
弟さんがファンだったんですね。今作のように、原作のある作品を演じるプレッシャーは感じていますか?
『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』で早見初美花役を演じていたときは、自分も役作りに参加させていただいてました。でも、今回はチセというキャラクターがしっかりあって、誰が見てもチセだと思えるようにしなきゃいけないので、そこは難しい部分だと思います。
工藤さんはチセをどのようなキャラクターだと捉えていますか?
過去にいろいろなことがあって塞ぎ込んでしまった彼女が、突然、魔法使いや妖精のいる世界で生活することになって、どうしようって奮闘している姿を見ると、この子はまだまだ知らないことがたくさんある女の子なんじゃないかなって思いました。その何も知らない姿をどうやって表現すればいいのか、私もまだ迷っているところで…。

あと、少し頑固なところはありますが、何ごとにも積極的に果敢に取り組む勇気を持っていて。そこは彼女の良いところなので、お客さんに伝えられたらと思っています。
何ごとにも積極的に挑戦する姿は工藤さんとも共通すると思うのですが、いかがでしょうか?
私もやるって決めたらやるタイプですけど、自分のために何かをすることが多いので、いつも人のために行動するチセとは少し違うのかなって。チセは身を粉にして人に手を差し伸べる優しい子なので、その部分も表現していきたいです。

特撮の現場で学んだ“対応力”を活かしていきたい

原作も大切にしつつ、ご自分の強みを活かしたいと考えているところはありますか?
昨年1年間、『ルパパト』で特撮の現場を経験させていただいたのですが、そこで学んだ対応力は活かせるのかなと考えています。

『ルパパト』と『魔法使いの嫁』の世界観は全然違うんですけど、怪獣と戦ったり魔法使いが出てきたり、なかなか現実では起こりえないことが起きるっていう点では共通していて。

今回の舞台で、魔法を使うシーンはどうやって表現するのか、私自身もまだまだ知らない部分は多いんですけど(※取材が行われたのは7月下旬)、何が起きてもたぶん驚かないし、動じないでいられると思います。
神農直隆さん演じる魔法使い・エリアスに関しては、頭部が特徴的ですよね。
はい(笑)。まだ稽古も始まっていなくて、共演者の方とは衣装合わせでお会いしただけなんですけど、衣装も含めて皆さんのビジュアルがめちゃくちゃ濃いんですよ。チセの衣装は皆さんと比べるとシンプルなので、舞台上でほかのキャラクターに埋もれないように、存在感を発揮していきたいです。
座長として、共演者の方々とどんなふうにコミュニケーションを取っていきたいですか?
これまでの共演者は同世代が多かったので、今回のように年上の方ばかりの環境でどう振る舞えばいいのか、全然わからないです。10代は私と17歳の清水らら(ステラ・バークレム役)さんのふたりしかいないですし。

皆さんとは、脚本と演出を担当される高羽 彩さんを通してコミュニケーションが取れるといいなって考えています。高羽さんは、共演者の方とも積極的にコミュニケーションを取っていらっしゃいますし、私に対してもお姉ちゃんのような、お母さんのような雰囲気で話しかけてくださるんです。

モーニング娘。にいなかったら、今の自分はない

工藤さんご自身のお話もおうかがいします。1年半近く女優として活動してきて、どんなときに喜びを感じますか?
いろんな作品に挑戦していきたいので、今回のように活躍の場をいただけることが何より嬉しいですし、それを報告したときにすごく喜んでくれるファンの方々がいてくださることにも幸せを感じています。

モーニング娘。に所属しているあいだもお芝居はやらせていただいていましたけど、メンバーとのバランスやグループでの立ち位置みたいなものがあった気がします。芝居もメンバーとでしたが、今は幅が広がって、こんな演者さんもいるんだ、役でもこんなキャラクターもいるんだっていう、皆さんのお芝居を見る日々での発見も楽しいです。
そんな中で責任やプレッシャーを感じることもあるのでは?
“誰も助けてくれない”って言い方は違うかもしれないですけど、自分で切り開いていかないといけない、という意味では責任を感じる場面はあります。アイドルを卒業して女優になりましたけど、1年間『ルパパト』に出演して将来への不安が拭い切れたかと言われると、そうでもないです。

同世代ですごく活躍されている方はたくさんいらっしゃるので、どうやって戦っていけばいいのかなとか、将来について考える時間も増えました。
『ルパパト』で共演されたメンバーの皆さんの活躍は、どんなふうに感じていらっしゃいますか?
本当に刺激ですね。役者仲間であり、友であり、ライバルでありっていう言葉が本当にぴったりだなって思っています。ただ、みんなから「次の作品が決まりました!」って報告があると「スゴい、おめでとう! 絶対見るよ!」っていう気持ちの一方で、焦りも…。
焦りもあるんですか?
あります、あります! ファンの皆さんに「はるちゃんは?」ってご心配をいただくこともあって。そんなときは私も心苦しいんですけど、「いいお知らせをするから待っていてくださいね!」って心の中でつぶやいて、気持ちを強く保つようにしています。
モーニング娘。をはじめとするハロー!プロジェクトのメンバーの活躍も刺激になっていますか?
もちろんみんな(の活躍)も刺激ですよね。私が所属していた頃には出演していなかったテレビ番組やイベントに出演している姿を見ると、スゴいな〜って。

キラキラして華やかなアイドルの世界をうらやましく感じることもありますけど、当時のメンバーがいつも私のことを応援してくれていて、作品が決まるとすごく喜んでくれるんですよね。だから、卒業のときに日本武道館で掲げた目標を、絶対に叶えたいです。
「工藤さんの主演作の主題歌を、いつかモーニング娘。に歌ってもらう」というものでしたよね。
そうです。女優になってもこういうふうにモーニング娘。の話題を出していただいたり、お話を聞いてくださる方がたくさんいらっしゃるので、モーニング娘。の存在を届けていくために私にできることがあれば頑張りたいなって。
卒業されてもグループのためを思って活動できるって、素敵なことですね。
やっぱりあそこにいなかったら今の自分はないですし。いっぱい助けてもらったぶん、私も何か恩返しがしたいっていう気持ちは、つねに持ち続けています。
目標を叶えるために、これからどんな女優を目指していきたいですか?
そのときの自分の年齢によって出る良さがある女優さんになりたいです。10年後、20年後にはきっと立ち位置も変わってくると思うんですよね。

そういうことをしっかりと受け入れて、自分が作品の中でどう生きられるのか、どうスパイスになれるのかを考えていきたいです。
10月に20歳を迎えられます。実感はありますか?
それがまるでないんですよ! 10歳から芸能界にいるので、もう10年経つんだっていう驚きのほうがスゴくて(笑)。

子どものときは何となく、20歳がゴールなのかなって考えていましたけど、全然そんなことないですね。いざ目前にしてみると、まだまだこれからいろんなことができるんだなって思いますし、仕事面でもプライベート面でも、どんなことが待っているのか今から楽しみです!
工藤 遥(くどう・はるか)
1999年10月27日生まれ。埼玉県出身。A型。2010年にハロプロエッグに加入。2011年に行われた、モーニング娘。10期メンバー『元気印』オーディションに合格し、モーニング娘。として活動を始める。音楽活動と並行して、演劇女子部 ミュージカル『LILIUM-リリウム 少女純潔歌劇-』、演劇女子部『ファラオの墓』など、さまざまな舞台にも出演。2017年12月の日本武道館コンサートをもって、モーニング娘。を卒業した。卒業後は『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』(テレビ朝日系)の早見初美花/ルパンイエロー役を務めるなど、女優として活動している。

舞台情報

舞台『魔法使いの嫁』
【東京】10月5日(土)〜10月14日(月)@あうるすぽっと
https://mahoyome-stage.jp/

サイン入りポラプレゼント

今回インタビューをさせていただいた、工藤 遥さんのサイン入りポラを抽選で3名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。

応募方法
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受付期間
2019年9月27日(金)18:00〜10月3日(木)18:00
当選者確定フロー
  • 当選者発表日/10月4日(金)
  • 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
  • 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから10月4日(金)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき10月7日(月)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
キャンペーン規約
  • 複数回応募されても当選確率は上がりません。
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  • 応募にかかる通信料・通話料などはお客様のご負担となります。
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