マツダは20日、「CX-30」を発表した。新型のクロスオーバーSUVとして、より幅広いニーズを獲得しようとしている。

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 これまでのCX-3は成功作とは言い切れない面もあり、このクラスの強化は必要であった。ボディーサイズを比較してみよう。

 CX-3: 全長4275mm、全幅1765mm、全高1540mm、ホイールベース2570mm CX-30: 全長4395mm、全幅1795mm、全高1540mm、ホイールベース2655mm CX-5: 全長4545mm、全幅1840mm、全高1690mm、ホイールベース2700mm

  CX-30をCX-3と比較してみると120mm長く、30mmワイド、高さは同じ、ホイールベースは85mm長い。CX-5と比較すると150mm短く、45mmスリム、150mm低く、ホイールベースは45mm短い。

 デザイン的にはこれまでのテーマを踏襲している。クロスオーバーSUVは一般的にセダンとあまり違わない使い道で、ウエストラインが高く、「でぶっちょ」で着座位置が高いことがウケているようだ。

SUVのデザインがウケるとは意外だったが、全世界で市場を広げている。そのデザインの元祖はオフロードカーであり、最低地上高が高く、全長が短く、取り回しが楽であることが身上だが、現在のクロスオーバーSUVの概念では、セダンのような使い方が主であると想定しているようだ。

  しかし、世界のプレミアムブランドのSUVはオフロードカーとしての性能も高く、必ずしもオフロードカーの枠を捨て去ったわけでもないようだ。日本車においても、トヨタ・新型RAV4が今年再び販売されたように、オフロード性能強化がみられ、2極化が進むのだろう。今後の動向はユーザーの好みが決めることとなる。

  マツダ・CX-30と言えば「スカイアクティブ-X」エンジンが注目だが、やはり商品力の中心とはならないようで、そのほかの要素で売上げは左右されそうだ。

 以前も採り上げたが、CX-30は技術的にはなかなかのハイテクカーであり、「スカイアクティブ-X」エンジン以外の技術にも注目してほしい。マツダが目指す「プレミアムブランド」は、設計品質においてハイテクであり、生産技術においてもハイテクであり、さらに、燃費性能においてもハイテクなのだ。

 CX-30の燃費は、WLTCモードで、従来のガソリンエンジンのスカイアクティブG 2.0搭載車が14.8km〜16.2km、ディーゼルエンジンのスカイアクティブD 1.8搭載車が18.4km〜19.2kmとなっている。SPCCI(火花点火制御圧縮着火)「スカイアクティブX 2.0」エンジン搭載車は非公表としているが、なぜであろうか?びっくりするほどの数字が出れば、人気も高まろう。2020年1月を楽しみにしている。