海外メディアが「あなたの成功が良い影響では?」の質問も“先輩”錦織に敬意

 テニスの「東レ パンパシフィックオープン(大阪・ITC靱テニスセンター)」は21日、シングルス準決勝などを行い、世界ランク4位で第1シードの大坂なおみ(日清食品)は同24位エリーゼ・メルテンス(ベルギー)に6-4、6-1で勝利を収め、準優勝した昨年大会に続く決勝進出を決めた。

 20日の雨天順延により、この日は両者ともダブルヘッダー。大坂は準々決勝で同36位ユリア・プティンツェワ(カザフスタン)にストレート勝ちしたわずか1時間58分後に始まった準決勝を制し、1日で計166分を戦った。試合後は子供たちから「なおみ〜!!」という多くの呼びかけを受け、色紙にペンを走らせた。5000人収容のスタンドは、ほぼ満員。生まれ故郷の大阪に凱旋し、プレーでも、ファンサービスでも期待に応えた。

 試合後の会見では、海外メディアからある質問が飛んだ。「以前に比べ、日本のテニスがとても盛り上がっていると感じますが、それについてどう感じていますか。あなたの成功が良いものをもたらしているのではないでしょうか」。これについて、大坂は錦織圭(日清食品)の名を挙げて謙虚に否定した。

「以前というのは、どれくらい以前かはちょっとわからない。実際、やはりケイが日本のテニスブームを引き起こしていると感じるし、彼が日本のテニス界を引っ張って来ていて、そこに私が出てきたと思っている」

「第一人者は彼だと思う」と語ったワケ「子供たちはきっとケイを見て…」

 29歳の錦織に対し、21歳の大坂。昨年、男女通じて日本人初の4大大会制覇を果たし、フィーバーを巻き起こした。日本テニス界の“2トップ”であることは間違いないが、自身より早くプロで活躍してきた“先輩”の存在は偉大なもの。今大会も故郷の盛り上がりを肌で感じながら、自分なりの現状を語った。

「私自身が何かいい影響をもたらしているとは感じない。子供たちはきっとケイを見て『テニスをしたいな』と思っていると思う。今、ちょっとわからないんですが、ケイがどれくらいプロとして活躍しているかわからない。やはり彼が頭角を現してきた頃は、私はとても幼かったので、そう考えると、やっぱり第一人者は彼だと思う。私が大きく何かを変えたとは感じません」

 笑顔を交えながらこう話した大坂。22日の決勝は、同41位アナスタシア・パブリュチェンコワ(ロシア)と対戦する。「3度目の正直になればいいなと思うけど、今の時点ではそのことを深く考えないようにしている。どの試合でも勝つためにすべきことを考えているので、そうしたい」。狙うは1995年の伊達公子以来、日本勢24年ぶりの大会制覇。2度準優勝した大会を制し、ファンの期待に応えるつもりだ。(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)