ラグビーワールドカップ開幕です!!

ついにやってきました「一生に一度」のラグビーワールドカップ日本大会!ラグビーの伝統的強豪国以外では初めての開催となるこの大会。招致の段階では「無理だ」の声しかなかったものが、まさにラガーマンたちの「スクラム」によって現実になり、大成功を迎えるときがそこまで迫ってきました。

2011年大会の招致に失敗し、「ラグビーの門外漢」であることを通告されたときの故・平尾誠二さんの無念に歪む顔。そして2019年大会の招致に成功したときの招致団の笑顔と、しかし同時に迫りくる重圧に引き締まる顔。勝算のない、蛮勇にも見えた活動に、2015年大会の南アフリカ戦勝利という結果で成功への道筋をつけた選手たちの勇猛。できるはずがないことをやってきた。その結晶が今日から行なわれる本大会です。

2015年の南アフリカ戦。ブルーレイは買ったけれど、今もまだいつでも見られるようにハードディスクに残したままにしてあるあの試合。あの感動。あのパワー。繰り返し心震わせ、ことあるごとにチカラをもらってきたあの試合に報いるのは、あの日アレを見た観衆の責務でしょう。

試合の終盤、イングランドの空にこだました大ジャパンコール。「雑魚」と見下すことなく会場を埋め、世にも稀なる展開に心躍らせ、ジャパンを後押ししたあの空気。アレを世界にお返しする。フェアに、楽しく、敬意を持って世界のラグビーをお迎えし、最高の大会を作る。もしかしたらそこにあるかもしれない史上最大の番狂わせを、それがいつ何時に起きたとしても、史上最大の熱狂で出迎える。そういう大会にしていけたらいいなぁと思います。

↓一生分のスポーツのなかでも、これほどの試合はきっといくつも出会えない!



開始10分で泣き、そこから80分泣いた!

何度でも見たい素晴らしい試合!



僕は幸いにも開幕戦のチケットを手にすることができましたので、これから会場へと向かいます。テレビで観戦の方、特に見る予定がない方、まだいるかと思います。嫌いな人にまでオススメはしませんが、「よくわからないから」という消極的な理由でこのお祭りをスルーするのは残念な話。何故なのかよくわかりませんが、ラグビーには「よくわからない」という声が本当に多い。

ということで、ラグビーの起源や伝統、歴史的背景は一切無視して、多少歪んだ説明であってもとにかく「わかった気になる」解説をしたいと思います。あってるあってないよりも「わかった気になる」を重視してウソを盛り込んでいきますので、詳しい方はその辺を無視してください。ていうか、詳しい方は読む必要のない内容なので、とっとと会場に向かってください!


ラグビーは基本的にはサッカーと同じです

ラグビーは大きな分類ではサッカーと同じ「フットボール」族です。基本はサッカーと同じです。ただ、ボールが何故か楕円形だったため(※古来、豚のキャンタマをボール代わりにしていたせいで今だにヘンな形になってる説)、蹴るとヘンなほうにいっちゃうから「無理だ…持って走ってもいいことにしよう…」などとフットボールっぽくない調整がいろいろ加わっているだけ。

基本は「サッカーと同じようなもの」なのに、ラグビーの身勝手な改造がいろいろあるため「サッカーと同じはずなのに違うぞ?」という疑問がわいてくるせいで、ラグビーは理解しづらいものになっています。「身勝手な改造」の理由を自分なりに咀嚼することで、ラグビーはグッと理解しやすくなりますよ。

●サッカーと同じようなものなら、何故ボールを手で持って走るの?
豚のキャンタマを蹴るとヘンなところにコロコロするから、「面倒なので手で持って走ってもいいことにしよう」となった(ウソだけど)。基本的には蹴るべし。

●サッカーと同じようなものなら、何故ボールを前にパスしたらダメなの?
豚のキャンタマが蹴りづらいって言うから「手で持って走ってもいい」って譲歩してやってるのに、さらに「前に投げたい」とかいうワガママはやめましょう。前にパスしたいなら、蹴るべし。

●じゃ、なんで横とか後ろとかには投げてパスしてるの?
横とか後ろはいいことにしません?別にゴールに近づいてるワケじゃないんだし。拾いに行くの面倒くさいし。でも、前はダメですよ。豚のキャンタマが蹴りづらいって言うから「手で持って走ってもいい」って譲歩してやってるだけなんだから。

●サッカーと同じようなものなら、蹴ってもいいの?

蹴ってOK。どんどん蹴るべし。華麗にドリブルしてゴールを決めてもいいし、ゴールに立ってる棒の間に蹴り込めばちゃんと点が入る。豚のキャンタマが蹴りづらいから「面倒なので手で持って走ってる」だけで、手で持って走ってるほうが本当はマチガイ。

↓華麗にドリブルからゴールを決める日本代表・松島幸太朗!


蹴ろう!もっと蹴ろう!フットボールだから!

キャンタマを蹴ろう!

ラグビーの得点は「トライ後にコンバージョン」で覚える

そもそもラグビーはゴールに立ってるあの棒の間にシュートを蹴り込むゲームでした。まさにサッカー。あそこに蹴り込むと点が入ります。地面にあるボールであればいつでも蹴って入れてOKです。ロングシュート大歓迎。ただ、フットボールですから、手で持ってるボールを蹴るのはもちろんダメです。フットボールですから。どうしても手で持ってるときに蹴りたければ、1回ワンバンさせてください。フットボールですから。

あの棒の間に入れれば「3点」です。ロングシュートでも、反則などで与えられるペナルティキックでも。アソコに蹴り込めば3点、これがラグビーの基本です。

で、そこに蹴り込むための権利を得るための行為が「トライ」です。相手陣内奥までボールを運ぶと、「コレはスゴイですね」ということで邪魔されずにシュートするチャンスをもらえるのです。だから「TRY」なんですね。「シュートへの挑戦権獲得!」という意味なんです。

しかし、だんだんみんな気づいてしまったのです。挑戦権獲得するのがめっちゃ大変であることに。ハッキリ言って割に合わない。あんなに苦労して挑戦権獲得しても、シュートを外したら0点なんて承服しかねる。ということで、トライそのものにも「5点」を与えることにしたのです。

で、そのあとの本来的な意味での挑戦権獲得後のキックを3点にしておけばスッキリするのに、そうしないのがラグビー界のアカンところ。「トライに5点やってるんだから、普通に3点取れるのは欲張りでは?」という話で、トライ後のキック(※コンバージョンという名前です)は「2点」になったのです。うーん、場当たり調整!

●基本は「キックで3点」

●でも、「トライ後(5)に(2)コンバージョン」で点がもらえる

3-5-2って並べるとサッカーみたいで覚えやすいですよ!

連中がいろんな形でモミクチャしているアレの分類

フットボールだって言ってるのに、連中はすぐに手で持って走ろうとします。だもんで、相手チームはそれを止めにきます。タックルで止めてくれればいいのですが、両チームが集まってきてモミクチャしていてよくわからなくなります。まぁ、何か「ゴチャゴチャしてるな」くらいの理解でもいいのですが、一応名前だけ言いますね!

●スクラム
いかにもラグビーなアレ。肩を組んでドーンと当たるアレ。軽めの反則のあとなどの試合再開のためのモミクチャです。サッカーでいうドロップボールとかみたいなこと。このまま押して行ってもいいですし、ボールを蹴り出して味方に渡してもOK。

●モール
試合の流れなどでボールを持っているヤツのまわりにモミクチャができあがってしまったもの。このまま押して行ってもいいし、引きずり倒してもOK。「そのボールをよこせ!」「イヤだね!」「よこせ!」の揉み合い。

●ラック
試合の流れなどでボールが転がっている状態のときにモミクチャしはじめたもの。「ボールを拾わせろ!」「ダメだね!」「邪魔するなどけ!」の揉み合い。

ラグビーのよくわからん反則・決め事集

ラグビーは僕らの一般常識とは違う感覚での反則や決め事が多数設定されており、それもまた理解を妨げる要因です。全部を理解することは難しいのですが、代表的な身勝手…じゃなくて「ラグビーならでは」の反則や決め事をご紹介していきますので、名前だけでも覚えていってくださいね!

【代表的な軽めの反則 ※PKナシ、スクラムで再開が多い】
●スローフォワード(前に投げるな)
豚のキャンタマだから手で持って走ってもいいとマックス譲歩しているのに、隙あらばパスしようとする輩が後を絶たない。前に投げたらダメです!

●ノックオン(ボールを落とすな)
豚のキャンタマだから手で持って走ってもいいとマックス譲歩しているのに、隙あらば「落としたフリ」でボールを前にパスしようとする輩が後を絶たない。キャンタマは落とさない!

【代表的なやや重めの反則 ※PKナシ、フリーキックで再開が多い】
※覚えてもコスパが悪いので割愛

【代表的な重めの反則 ※PKアリ】
●ノットリリースザボール(ハンドだ!ハンド!)
豚のキャンタマだから手で持って走ってもいいとマックス譲歩しているのに、止められたあとも持ちつづけてるのってオカシクないです?これフットボールなんですけど?それハンドですよね!PK!

●ノットロールアウェイ(どけ!)
豚のキャンタマだから手で持って走ってもいいとマックス譲歩したから、止めるほうもラグビー式タックルしていいって譲歩してるだけなんですけど?タックルしたあとも上に乗っかってこられると普通に邪魔だし、重いんですけど?止めたらさっさとどいてもらえます?さっさとどけ!PK!

●オフサイド(キャンタマより前に出るな!)
豚のキャンタマだから手で持って走ってもいいとマックス譲歩しているのに、隙あらば味方の前でパスを待とうとしたりする輩が後を絶たない…。とにかく全員キャンタマより後ろにいろ!いろいろ状況があって複雑だけれど、キャンタマより前に出ようとするヤツはいろいろな理由で反則にするから覚悟しておけ!PK!

↓なお、ラグビーの審判は「被害者のほうに手をあげます」!

被害者が有利になるかもしれないのでしばらくプレーは継続され、有利にならなかったら反則の起きた場所に戻って再開します!

「被害者はコッチ!」と言っています!

そして被害者は「PKをもらったけれどスクラムで再開したい」などの裁量があります!

被害者有利がラグビー精神です!




ラグビー最大の難点、スローインと全然違うラインアウト

ラグビーの試合中、「ん?」となる最大のポイントがラインアウトでしょう。見た目はサッカーのスローインと同じ。しかし、どうも納得いかないことが多い。「今、コッチのチームが蹴り出したのに、コッチのチームが投げてるよ?」と、サッカーなら絶対起きないことが起きてしまう。

もちろんラグビーでも基本は「蹴り出したヤツが悪」です。だから、前に進むために蹴ったボール(あるいは譲歩によって手で持って走っているボール)がラインの外に出ると、相手ボールでのスローインになります。それはサッカーと同じ。

しかし、そこはキャンタマ。蹴るのだってサッカーボールほど簡単ではありません。むしろ、「キャンタマを上手に蹴れてえらーい」「もっと上手に蹴ってほしい、気持ちよくなーい」といういろいろな反応があるのです。それにより、どの位置から、どっちのチームがスローインするか変わってくるのです。

●基本的には、外に出たら相手チームのスローインで再開


●でも、最初から外に出すのを狙って蹴るのは、簡単に前に進めちゃってずるーいから、「蹴った場所まで戻って」相手チームのスローインで再開。それがイヤなら「1回バウンドさせてから」外に出してくださいね

●ただ、自陣22メートルラインより後方からのキックで外に出たら、そんなに敵陣深くまで進めるわけもないし、遠くから上手に蹴れてえらーいので「外に出た場所」から相手チームのスローインで再開

●あと、反則のあとにキックで再開するときは相手チームが悪なので、どこからどう蹴っても「外に出た場所」から、しかも「自分たちのボールで再開」です

↓基本は人がたくさん集まってから投げ入れますが、別にとっとと投げ入れてもOKです!スローインと一緒で!

悪に厳しいのがラグビー精神!

悪いことをしたヤツからもらったキックは、徹底的に被害者に有利になっています!




ものすごく雑に、「わかった気になる」ために必要なところだけを抜き出しておきましたがいかがでしたでしょうぁ。試合中にはいろいろなことが起きるでしょうが、あとは雰囲気理解で大丈夫。基本はサッカーと同じなんですから、何も難しいことなどありません。わかった気になって楽しんでくださいね!

ラグビーワールドカップ、楽しみましょう!会場で応援してきます!