「最優秀女性賞はテイラー・スウィフトではなくビヨンセが受賞するべきだった」と酔ったカニエ・ウェストが「MTV VMAs」でステージに乱入し発言したのが2009年9月13日。それから10年弱の間に二人は仲直りと喧嘩を繰り返し、最終的にはカニエの歌詞を巡ってテイラーがカニエに激怒。しかし、そのことに関してテイラーがコメントを出したのは一度だけで、その後はアルバム『レピュテーション』で怒りを表現するに留まり、インタビューなどは断ってきた。そんな中、テイラーが初めて自らカニエとの紆余曲折を『ローリング・ストーン』誌のインタビューで振り返った。

「感情を抑えようとする癖があるから、自分が傷ついたと気付くまで時間がかかる」と自らを分析しているように、VMAsでカニエにマイクを奪われても突っ立ったままだったテイラー。舞台裏でテイラーが泣いていたことや、カニエがピンクに叱られていたことが関係者の話で明らかになったのは最近のこと。

そんなピンクに怒られたカニエは謝罪したものの、すぐに謝罪を撤回。しかし、それでもテイラーはそれから少しずつカニエやキムとの仲を縮めていて、数年後のVMAsでカニエの受賞プレゼンターを務めた。プレゼンターを引き受けた理由は、カニエからようやくリスペクトされているような気になったからなんだそう。

「カニエと仲が良くなった気がしてたんです。2009年の出来事があってからの私は、彼からリスペクトされたいという想いでいっぱいでした。大声でけなされて、そこにいる価値がないと言われて…。だから、ただただリスペクトされたかった。そんな自分がすごく嫌なんです。でも一緒に食事をしたりしました。そんな中、彼が私の音楽を褒めたりしてくれてたので、嬉しかったんです。子どもの頃に傷ついた心を癒すような感じでした」

そして2015年にはカニエから電話がかかり、1時間くらい話した中で、プレゼンターの依頼をされたそう。

「『本当に本当にお願いしたい、僕にとってすごく大きな意味を持つんだ』と言われ、私にプレゼンターを頼みたい理由を列挙したんです。時に彼は、すごくいい人にもなれるから。それで私は喜んじゃって、スピーチを準備しました。それなのにカニエは『MTVが視聴率を上げるためにテイラーを呼んだ』と言ったんです」

https://twitter.com/itsweeterthan/status/1174384604675039233?s=20/

実際のカニエの言葉は少し違ったけれど、カニエに利用されたと感じたテイラーはカニエを「裏表のある人間」だと表現し、「裏では私に優しくするけれど、表ではクールなふりをするために悪口を言うことに気づいた」とも。しかし、これ以上喧嘩をしたくないと思ったテイラーは、翌日カニエから送られた謝罪のお花を受け取ることに。

カニエがテイラーのことを歌いたいという意向を直接テイラーへ電話で伝えたのはこれら全てが起こった後。結局この電話が原因で二人は再び犬猿の仲になることに…。

「歌詞については承認していない」と主張するテイラーに対し、カニエの妻であるキム・カーダシアンが二人の電話での会話を公開。その後改めて、「ビッチ呼ばわりされること」は聞いていないと主張したテイラー。彼女は当時を振り返り、歌詞に対して憤慨した理由をこう話す。

「歌詞の一節について彼が直接電話をくれたことに、敬意を感じてすごく感動したの。でも実際に歌詞を全部聞いた後、『もうこの関係は終わりにする』って決めた。喧嘩をしたいならいいけど、せめて嘘はつかないでほしいわ」
「世界は私たちの間で起きた本当の内容を理解していなかった。たった1回の出来事じゃない、それまでの積もり積もった出来事をうけて、彼にビッチと呼ばれたことにムカついたんです」

テイラーはまた、3年にわたって騒動について口を閉ざしてきたことについても説明。

「激流に巻き込まれたような感覚でした。そんな時はどうしますか? バタバタしますか? それとも息を止めて、再浮上することを願うか。私は後者を選びました。3年かかりましたけどね」
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This album is very much a celebration of love, in all its complexity, coziness, and chaos. It’s the first album of mine that I’ve ever owned, and I couldn’t be more proud. I’m so excited that Lover is out NOW.

A post shared by Taylor Swift (@taylorswift) on Aug 22, 2019 at 9:02pm PDT