本連載、「女のもやもやセラピー」で時事ニュースとして初めてインスタ女子を扱ったのが2017年の8月(【もやもや】「ナイトプールで泳がない女」に批判続出!インスタ消費女子はなぜ嫌われるのか)。冒頭には、“インスタ映えがピンチです。かなりの広範囲で嫌われています。周囲でも、「インスタ映えっていう言葉が嫌い。なにそれバカみたい」「朝の情報番組で、商品やスポットが紹介されるたびに司会者のアナウンサーがいちいち“インスタ映えしそうですね〜”とコメント差し込んでくるのがうざい」と、もやもやを超えてイライラを募らせる声が右から左から飛んできます。”という文章でした。当時、すでにインスタ映え及びそれを求めるインスタ女子は一部の人たちに嫌われていました。

同年10月のデータによると、日本のInstagram利用者は2,000万人(月間アクティブユーザー)。それからインスタがどうなったかというと、ご承知の通り健在。一向に廃れる様子は見られず、2019年8月の報告によると、3,300万人(同)と角度の大きい右肩上がりです。また、年齢別ユーザー数では30代がもっとも多く、5,577千人。これだけ浸透して当たり前ように生活になじんでいてもおかしくないのに、今だ受け入れ難く感じている独身30代も今だ多いようで、楽しく使っている人がいる一方で、「おしゃれ芸能人気どりでウザい」「かまってちゃんぽくてウザい」「自己顕示欲がウザい」「案件とかやっていてお金儲けに使っていてウザい」「有名人になりたいのが見え見えでウザい」など、とにかくウザいのオンパレード。賛否の対象となっています。

とくに最近、非難の矛先が向かっているのがストーリーです。ストーリーは2016年8月に登場した機能で、日本でもここ1〜2年で利用者が飛躍的に増加しているといわれています。ちなみにストーリーの正式な機能名はStories。なので正しくはストーリーズですが、日本ではストーリーという呼び方が定着しています。この機能のもっとも大きな特徴は、これを使って投稿すると、自分のプロフィール画面に掲載されず、24時間で自動的に表示されなくなるというもの。また、誰が見たのかも確認することができます。

消えるから平気って思ってる?

「一度ネットに投稿されたものは一生消えない、だからSNS投稿は慎重に」とあちこちで警鐘が鳴らされている昨今、この「24時間で消える」というしくみはネット世代のタガを外すには十分だったようで、後発で続出したバイトテロ動画は、ストーリーに投稿されたものが少なくありません。

「これまで何度も炎上して名前をさらされて仕事クビになって裁判されてって、人生台無しにした子たちを見聞きしているのに、なんで自分までやろうとするのかな」と10代の男の子に聞いてみたところ、「ストーリーは24時間で消えるし、見てるのは友達だけだし、Twitterと違って拡散機能がないし、俺ならバレないでやってやれると思っちゃうんだと思います」と言っていました。「俺ならやれる」という向上心は別のところで発揮してほしいものです。

女子についてはまた別で、ストーリーとの名前の通り、「自分物語」を投稿する人が多いようです。

「“残業終わったー、終電乗れるかな〜、今、駅に向かって走ってまーす”とかいうストーリーって何の意味があるんですかね?動画撮ってないで、もっと真剣に走って電車乗れやって思っちゃいます」(メーカー勤務・30歳)

「ストーリーって、15秒くらいしか動画が取れないじゃないですか。だから、連続して投稿するってなるとブツ切りになって、数がどんどん増えていくんですよ。それが延々と焼き肉焼いてるとこだったして。そういうストーリーを見ちゃったときに、それストーリーで撮る必要あった?って思っちゃいますね。あと、カウンターのお寿司屋さんとか高級フレンチのメニューとかを、1品1品撮影してアップするとか。下品ですよね。ウザ……ってなりますし、こんなに高いお店でディナーって不倫でもしてんのかなって思ったりします。若い子がそういうことやってると、パパ活の成果自慢か?って思ったり(笑)」(広告会社勤務・32歳)

「いちばんよくわからないのが、シートパックしてる自撮りですかね(笑)。何がしたいのか、何を求めているのか、意図が本当にわかりません。うっかり見ちゃったとき、あっちに足跡がつくんだよなって思うと、悔しくてもやもやっていうよりイライラしちゃいます」(保険関連会社勤務・34歳)

「天井や空の写真にぼっちなポエム、とか、真っ暗な画像にちっちゃい文字で“つまんないなぁ……”書くとか。ホント怖いわ〜絡みたくないわ〜まじやめて〜って思っちゃいます」(アパレル勤務・30歳)

などなど、見るほうは「どうしてストーリーにそれを投稿したの?」ともやもやしてしまうようです。そこで、あずき総研では、ストーリーを利用しているという独身30代にストーリーに載せる内容と、その理由を聞きました。そこには、見ているほうにはまったく理解できない本音が隠れておりました〜その2〜に続きます。

タピオカを映え用に購入して飲まずに捨てるインスタ女子が非難され、評価はさらに下落。「インスタとかやってないんですよね〜」というのが逆ステイタスという感もある令和です。