ミスリードを誘う手法、散りばめられた伏線の回収、最後まで読ませない展開であることから、どんでん返しのある作品は総じて高評価であることが多いです。

今回はFilmarks内で高評価の「どんでん返し」が楽しめる映画を15本紹介いたします。

ユージュアル・サスペクツ』(1995)

監督は「X-MEN」シリーズや『ボヘミアン・ラプソディ』を担当したブライアン・シンガー。スティーヴン・ボールドウィン、ケヴィン・スペイシー出演。

多額の現金を積んだ密輸船が爆破され、多くの人間に被害が出た。この事件の犯人の5人は、伝説の悪党・カイザー・ソゼの手引きにより事件を起こしていた。犯人の中で唯一生き残った詐欺師のヴァーヴァル・キントの証言から黒幕の正体を導いていく。

ラストまでの展開も面白いが、ラスト5分のどんでん返しは鳥肌が立つほど。映画の面白さを教えてくれ、もはや騙されてこそ感動できるクライム映画の金字塔。

『ピエロがお前を嘲笑う』(2014)

『スリープレス・ナイト』などのバラン・ボー・オダー監督作品。トム・シリング、エリアス・ムバレク出演。

学校ではいじめられっ子のベンヤミンは、ピエロの仮面を被って活動するハッカー集団“CLAY”に加担する。しかし仕掛けたハッキングが殺人事件を引き起こし、警察に出頭することになる。警察はベンヤミンの証言を元に調査を行うが、ベンヤミンの証言は辻褄が合わない。一体何が真実なのか、ベンヤミンの目的は何なのか。

観ている者を巧みにミスリードに誘う。観終わった後は、どんでん返しの伏線を確かめたくなる作品。

『22年目の告白 私が殺人犯です』(2017)

『太陽』などの入江悠監督作品。藤原竜也、伊藤英明出演。

犯人が捕まらないまま時効となった連続殺人事件。しかし22年後、突然犯人と名乗る男が姿を現し、記者会見や告白本の出版など行い、日本中が騒然となる。なぜ犯人は突然名乗り出たのか。真実が明らかになるにつれて、新しい事件が動き出す。

ストーリーだけではなく、俳優の巧みな名演技によって見事に翻弄される。真実だけではなく、感情さえもどんでん返しになるラストが待っている。

『シックス・センス』(1999)

『ヴィジット』や『スプリッット』などのM・ナイト・シャマラン監督作品。ブルース・ウィリス、ハーレイ・ジョエル・オスメント出演。

小児精神科医のマルコムは、以前治療をした青年に銃で撃たれてしまう。それから妻との関係が上手くいかず、苦悩する日々を送る。そんな中、マルコムは死者が見えるという特殊な “第六感”を持つ少年・コールと出会う。心を閉ざしたコールを治療し、自らも癒されていくマルコムだったが、さらなる驚きの事実が明らかにされる。

まさに巧みとしか言いようのない映像トリックで、観客をミスリードに誘い、人間の成長やドラマを見せながら驚きの種明かしが展開される。観終わった後は必ずもう一回観なくては気が済まなくなる。

『シャッター アイランド』(2009)

『ウルフ・オブ・ウォールストリート』などのマーティン・スコセッシ監督作品。レオナルド・ディカプリオ、マーク・ラファロ出演。

精神を病んだ犯罪者だけを収容する孤島・シャッターアイランドから一人の女性が謎のメッセージを残し姿を消す。連邦保安官のテディたちは数々の暗号と謎を元に捜査を始めるが、捜査が進むにつれ恐ろしい真実が暴かれていくのだった。

不気味な舞台と世界観の中で謎解きを楽しめる。ラストの真実は予想できてもできなくても、スッキリする作品。

『コンフィデンスマンJP』(2019)

監督はドラマ版の演出を担当していた田中亮。長澤まさみ、東出昌大、小日向文世出演。

大胆に人を騙す信用詐欺師のダー子とボクちゃん、リチャードは、次なるターゲットとして伝説のパープルダイヤを持つ香港マフィアの女帝ラン・リウを狙う。なかなか上手くいかず苦戦する中、同じくランを狙う天才詐欺師のジェシーが現れる。更に以前ダー子たちに騙された日本のヤクザ・赤星の影もちらつき、三つ巴の戦いが始まる。

騙し騙される展開が続く中、最後の大どんでん返しが爽快感たっぷりに決まる。

『ファイト・クラブ』(1999)

『セブン』『ドラゴン・タトゥーの女』などのデヴィッド・フィンチャー監督作品。エドワード・ノートン、ブラッド・ピット出演。

不自由ない生活を送りながらも、不眠症に悩まされていた主人公は、飛行機で出会った男タイラーと“ファイトクラブ”という素手で殴り合う組織を結成する。殴り合うことで自己が解放され、よく眠れるようになった主人公だったが、やがて殴り合いからエスカレートしていき、過激さを増していく。そんな中で、主人公は予想しなかった事実を知ることになる。

過激な暴力が描かれながらも、真実が明かされた時は観ている者を奮い立たせる。

『情婦』(1957)

監督・脚本は『麗しのサブリナ』や『お熱いのがお好き』など数々の名作を手がけたビリー・ワイルダー。チャールズ・ロートン、マレーネ・ディートリッヒ出演。

ある裕福な未亡人が殺され、その容疑者の弁護を引き受けたウィルフリッド。冷酷な態度の容疑者の妻が検察側の証人として立ち、不利な状況が続くも、ウィルフリッドは容疑者の無実を晴らすため奮闘する。

テンポのいい法廷シーンと共に二転三転していく展開に全く目が離せない。

『真実の行方』(1996)

『オーロラの彼方へ』などのグレゴリー・ホブリット監督作品。リチャード・ギア、エドワード・ノートン出演。

野心に満ち溢れた弁護士・マーティンはシカゴで起こった大司教殺人事件の容疑者、アーロン青年の弁護を申し出る。裁判に勝ちさえすればいいという考えのマーティンだったが、元恋人である検事の持つ物的証拠に状況は不利になっていく。しかしアーロンの周辺を調査するうち、恐るべき真実が見え始める。

次から次へと新たな真実が明らかになり、最後まで安心できない法廷ミステリー。

『セブン』(1995)

監督は『ファイト・クラブ』と同じデヴィッド・フィンチャー。モーガン・フリーマン、ブラッド・ピット出演。

残り一週間で定年を迎えるベテラン刑事のサマセットと後任としてやってきた若い刑事ミルズは、異常な連続殺人事件の捜査に乗り出す。やがてこの事件は“七つの大罪”になぞらえていることに気づく。異常な殺人事件の犯人の目的とは一体何なのか。

怪奇的な連続殺人の目的が判明した時、驚愕のクライマックスが待ち受けている。

『バタフライ・エフェクト』(2004)

監督は前作『デッドコースター/ファイナル・デスティネーション2』で共同で脚本を手がけたエリック・ブレスとJ・マッキー・グルーバー。アシュトン・カッチャー、エイミー・スマート出演。

エヴァンは少年時代、記憶の一部の欠落が多々あった。しかし20歳になったある日、記憶が欠落している過去にワープできる能力があることを発見する。エヴァンは周りの人間を幸福にさせるため過去に戻ってやり直そうとするが、全て間違った方向に向かっていく。1匹の蝶の羽ばたきが竜巻を起こすように、小さな過去の改変も、未来は大きく変わっている。愛する人を幸せにするために行った選択には、どんなラストが待ち受けるのか。

『ライフ・オブ・デビッド・ゲイル』(2003)

『ミッドナイト・エクスプレス』などのアラン・パーカー監督作品。ケヴィン・スペイシー、ケイト・ウィンスレット出演。

大学の教授であり死刑廃止論者のデビッド・ゲイルは、殺人事件の犯人として死刑囚となる。デビッドの手記を頼まれたジャーナリストのビッツィーは、取材していくうちに何かがおかしいことに気づく。デビッドは冤罪ではないかと疑い始めたビッツィーは、事件の真相を追究するが、デビッドの死刑執行はすぐそこまで迫っていた……。

一見冤罪を訴える作品かと思いきや、ラストまで見ないとこの物語の真相はわからない。

『アイデンティティー』(2003)

『LOGAN ローガン』などのジェームズ・マンゴールド監督作品。ジョン・キューザック、レイ・リオッタ出演。

嵐の夜、あるモーテルに閉じ込められた11人の男女が順番に殺されていく。11人は偶然集まったかと思いきや、ある共通点があった。一方で死刑判決を受けた猟奇殺人犯の再審理も行われていたが、その彼にも同じ共通点があった。なぜ二つの事件には共通点があるのか。真実がわかった時、予想を上回る衝撃のラストが訪れる。

誰が犯人か推理する楽しさがあるが、どんでん返しにさらなるどんでん返しが待っており、一時も目が離せない。

『ソウ』(2004)

『死霊館』などホラー映画に定評があるジェームズ・ワン監督作品。ケイリー・エルウィズ、リー・ワネル出演。

古い浴室の中で目覚めた二人の男。二人の足には鎖が繋がれており、逃げられないようになっていた。そこに残されていたテープには、“どちらかを殺さないと二人とも殺す”という犯人のメッセージが入っていた。これは連続殺人犯“ジグソウ”による命を粗末にした人間に対して行う残虐なゲームだったのだ。二人は何とか殺し合わずに脱出できるよう奮闘するのだが……。

一見残虐さに驚かされるが、心理戦も含まれており、積み重なった伏線がラストで回収され、ストーリー展開の上手さに驚かされる。

『マッチスティック・メン』(2003)

『オデッセイ』などのリドリー・スコット監督作品。ニコラス・ケイジ、サム・ロックウェル出演。

詐欺師のロイと相棒のフランクは、大きな詐欺を働こうとしていたが、そこにロイの娘のアンジェラが加わる。娘に翻弄されながらも、親子は一大仕事に向かっていく。

天才詐欺師が仕組んだ完璧なシナリオ。騙されるのは、あなた。

【文/タナカリオ】

※本記事で紹介する映画は国内最大級の映画レビューサービス「Filmarks(フィルマークス)」のデータに基づいてセレクトしたものです。