この世界には、他人の困ったことを自分ごとのように対処してくれるすばらしい人間がいる。かつて保安官をしていたスティーブ・エッケル巡査部長がその1人だ。


エッケルはまさに最適のタイミングで、ニュージャージー州にあるデパート「Kohl’s」の駐車場に居合わせた。彼は車の異変に気づき胸騒ぎを覚えた。鍵のかかった車内には生後4か月の赤ん坊が取り残されており、顔を真っ赤にして大声で泣き叫んでいた。

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その日外はうだるような暑さで、車内の温度は49℃に達していたとみられている。エッケルは当時を振り返り「赤ん坊は大声で叫び声をあげて白目をむいていました」と語った。彼は保安官時代の訓練を思い出して急いで自分の車へ戻った。最近車内の掃除をしたばかりだったが、幸いにもトランクにはハンマーが残っていた。


エッケルはまた911に通報し、大急ぎで「鍵のかかった車内で赤ちゃんが泣いている」と伝えた。別のサマリア人の助けも借りて、彼は窓ガラスを粉砕し泣き叫ぶ赤ちゃんを救出した。

その後すぐに赤ちゃんをKohl’sのロビーへ連れて行き、エアコンの効いた室内で熱を冷ました。救急隊によればこの行動が赤ちゃんの回復に寄与したという。

エッケルは「あの時はとても感情的になっていて、泣きそうな気持ちでした」と語った。

警察の調べによれば、赤ちゃんの母親は約40分間店内にいたものとみられている。ようやく店を後にした母親は自身の車に起きた惨事に呆然とした。粉々の窓ガラス、空っぽの車内、いなくなったわが子。その様子を見た彼女は「私の赤ちゃんはどこ」と叫ぶも、待機していた警察官になだめられ、席に着くように促された。

警察はカレン・グルーエン容疑者(33)を子どもを危険にさらした罪で逮捕し、赤ん坊は父親に引き取られた。エッケルは「彼女は自分の罪を認め、2度と同じ過ちを繰り返さないよう反省すべきです」と語った。

幸いにも引退した保安官は、彼のキャリアの最後に赤ちゃんを無事救出することができた。

エッケルは「私は守り神の存在を信じています。私はこの子にとっての守り神になれたのだと思います」と語った。まさにタイミングよく最適な人が適切な場に居合わせた、模範的な事例だったと言えるだろう。

 

(大紀元日本ウェブ編集部)