2019年9月9日、台風15号の影響で、千葉県内を走る鉄道や高速バスが運休した。その影響で「陸の孤島」と化した成田空港には多くの利用客が足止めされ、1万人を超える人々が空港内で夜を明かした。

そんな中、こんな動画を添えたツイートが投稿され、話題となっている。

投稿したのは、ドラマーの嶋隆裕(しま・たかひろ)さん。成田空港生活から動けなくなり、およそ8時間が経過したころだという。

動画には、成田空港で披露された外国人の若者たちの元気なコーラスが収録されている。嶋さんは、「名も知らない合唱団に途中、癒しと元気をもらった。心からありがとう」とコメントしている。

Jタウンネット編集部は、当時の状況を投稿者に聞いた。

「素敵な歌声を届けてくれるなんて素晴らしい」


嶋 隆裕さん(@Takahiro_Shima)のツイートより

名も知らない合唱団によるパフォーマンスは、いったい成田空港のどの辺りで行われたのだろう? 投稿者の嶋 隆裕さん(@Takahiro_Shima)は次のように答えてくれた。

「場所は、ターミナル1の 4F南ウイングの端でした。時間は、8月9日23時前後でした。これは記憶の限り二度目の合唱です。21時過ぎにも歌われておりました」

つまり合唱は、21時過ぎと23時前後、少なくとも2回は行われたようだ。

「歌ったのは、うろ覚えですが4曲程(約15分前後)だったかと。聴衆は20〜30人ほど。 歌唱後は、指揮者の礼にならいコーラス隊も一礼し、聴衆も拍手を送り、穏やかな時間でした。ちなみに一礼後に、数名のコーラス隊が映像内のちびっ子とハイタッチをして、和やかな空気感でした」

投稿者は、国内から成田空港へ戻ってきたところで、結局、約10時間の滞在となったようだ。「彼らの行動と想いが、少しでも多くの人に何かを感じていただけたら、投稿者としても嬉しいです」と語ってくれた。

さて、成田空港で足止めされた利用客を慰めようと、即席のコンサートを開いてくれたのは、スロバキア共和国の高校生による混声合唱団Cantica Nova(カンティカ ノヴァ)のメンバーらしい。

日本ツアーを終えて帰国予定のところだったそうだ。実際、ツイッターにアップされた動画に、カンティカ ノヴァのメンバーを名乗るユーザーが英語でリプライ(返信)を送っているほか、合唱団のフェイスブックでも成田空港での動画を紹介している。

彼らの行動に対して、ツイッターにはこんな声が寄せられている。

「素晴らしい」
「みんなイライラしてたので、このようなサプライズがあったら嬉しいですね」
「疲れてるであろうに、素敵な歌声を届けてくれるなんて素晴らしい」
「なんか涙が溢れてきた」